ドウデュースが出走取消。秋古馬3冠がどれほど難しいことなのか。改めて実感させられた。今後の種牡馬としての活躍を祈らざるを得ないし、それでも一年のクライマックスはやってくる。絶対的な1番人気が予想された馬がいなくなり、波乱の可能性もある。
外枠不利、6歳以上不振など過去の傾向は置いておいて、当欄ではまず今年の中山競馬場の馬場状態をしっかり確認してみた。
今年の第5回中山・芝1800メートル以上の脚質別勝利数(逃げ―先行―差し―追い込み)は【2―5―9―0】。勝率は逃げ12・5%、先行7・8%、差し11・0%。連対率は差し23・2%が、続く先行の15・6%を引き離している。20年以降の5年で、暮れの中山から同条件(今年は先週まで)を調べて確認すると、差しの勝率は平均が5・5%に対し、11・0%と2倍。連対率も平均13・8%に対し23・2%だ。
注意すべきは2歳戦が最も多いという点。能力差で傾向とは関係なく決まることがあるため、データを除外する。すると、今年の脚質別勝利数は【1―3―3―0】。勝率は逃げ14・3%(平均17・9%)、先行11・1%(9・8%)、差し8・1(6・5%)。先行と差しが平均を上回っているが、連対率は先行14・8%(平均19・0%)に対し、差し24・3%(16・2%)。明らかに差し有利となっている。
さらに深掘りすると、上がり順位別の勝率は、1位(14・3%)の次は4位&5位(13・3%)、続いて2位(10・0%)という点だ。差し有利だが上がりが速ければ届くという馬場でもないということ。4コーナーで11番手以降から3着内に入ったのは1頭のみだ。
そこで出走馬について、芝2200メートル以上の重賞レースでの、4コーナー10番手以内から上がり5位以内率を調べてみた。上位から順に以下の通り。
〈1〉シャフリヤール 80%
〈2〉ジャスティンパレス 70%
〈3〉アーバンシック、スタニングローズ、ベラジオオペラ、ローシャムパーク 66・6%
馬場傾向を踏まえると、浮かび上がるのはシャフリヤールだが…、大外枠。陣営が逃げを示唆していることも踏まえると、積極的には狙いづらい。
残る5頭を血統からふるいにかけてみる。19年以降の有馬記念5年で3着内馬に最も多いのが5代以内にノーザンダンサーのクロスで7頭。今年の第7回中山で3着内が最も多いのがキングマンボ系。この2つを併せ持つのはベラジオオペラ。この馬を軸に馬券は組み立てたい。(編集委員・小松 雄大)