◆オークス・G1(5月19日、東京・芝2400メートル、18頭立て=良)
今年も印象に残った好レースはたくさんあったが、予想をするうえで重要な調教まで含めると、最も衝撃だったのはチェルヴィニアのG1初制覇となったオークスだ。
最終追い切りが行われたのは5月15日。美浦・Wコースで6ハロン84秒4―5ハロン67秒8―1ハロン11秒6。この馬の能力を考えれば、時計自体はそれほど特筆すべきものではなかったが、前日夜に“予習”として桜花賞時の最終追い切りのVTR(6ハロン85秒4、5ハロン69秒1、1ハロン11秒6)を見ていたのもあって、別馬のようなスピード感のある動きに目を奪われた。
追い切り後、木村哲也調教師に話を聞くと、「アグレッシブに、ポジティブな気持ちで、引くことなく調教へ取り組めていると感じていました」。独特の表現だったが、表情、声のトーンから手応えを感じているのが伝わってきた。
自分の勘違い、思い込みではと思い、念のために翌日にVTRでも調教の走りを確認したが、やはり前走時とは全く走りが違った。当日のパドック、返し馬の雰囲気も抜群。2、3着馬が1、3番人気の超お堅い決着になったのだけは誤算だったが、今年のG1で最も自信を持って◎を打てたレースだったのは間違いない。(中央競馬担当・西山 智昭)