【フェブラリーS 菜七子G1に挑む】史上3人目JRAG1初騎乗Vへ「勝つイメージできている」

1着でゴールを駆け抜けるイメージはできている、と会見で話した藤田菜七子(カメラ・谷口 健二)
1着でゴールを駆け抜けるイメージはできている、と会見で話した藤田菜七子(カメラ・谷口 健二)
菜七子はコパノキッキングと初のG1に臨む
菜七子はコパノキッキングと初のG1に臨む

◆第36回フェブラリーS・G1(17日・ダート1600メートル、東京競馬場)

 今年最初のJRAのG1競走、フェブラリーS(17日、東京)の出走馬14頭が14日に決まった。JRA所属の女性騎手として初めてG1に騎乗する藤田菜七子騎手(21)=美浦・根本厩舎=は小倉競馬場で会見し、4連勝中のコパノキッキングで臨む一戦での勝利をイメージできていると宣言。史上3人目のJRAG1初騎乗Vの快挙達成へ、心の準備は整っている。注目の枠順はきょう15日に決まる。

 滞在先の小倉競馬場に設けられた会見場で、刻々と迫る夢の舞台へ菜七子は堂々と言い切った。

 「勝つイメージはしています。1着でゴール板を駆け抜けるイメージはできている」

 フェブラリーSの出走馬が決まり、JRA女性騎手として初めてG1に臨むことが確定した。「緊張感より、今はまだ楽しみの方が大きいですね」。今回、ライバルとなる13人の騎手はいずれも7年以上のキャリアの差があり、相棒のコパノキッキングの相手もG1馬4頭と強敵がそろうが、「さすがだな、と思う強い馬ですけど、キッキングも強い馬です。周りを気にしすぎず、馬のことを第一に考えて、キッキングのレースをしたいです」と、21歳とは思えない落ち着きぶりで頂点を見据える。

 13日には在京テレビ局のインタビューを立て続けに4本受け、この日の小倉競馬場での共同会見にもテレビカメラが入り、日に日に増す菜七子フィーバー。騒がしくなるばかりの周囲をよそに平常心を保つ。「G1でも未勝利戦でも何か変わったことをせずに臨むように、村山調教師からも言われています。特別なことはしません」と、レースまでのカウントダウンが続くなか、いつもと変わらない平穏な日々を心がけている。

 相棒となるコパノキッキングの様子について村山師から「順調」と報告を受けた。Dr.コパこと小林祥晃オーナーはこのレースをコパノリッキーで14、15年を連覇。15日に決まる枠順については、「リッキーが(14年に)勝っている7枠か13番がいいですね、とオーナーとも話している」と“吉兆”の番号を望んだ。枠順決定後に村山調教師、オーナーと話し合い、具体的な作戦を組み立てる。

 「ジョッキーを目指していたときから憧れていた舞台です。選ばれた馬とジョッキーしか乗れないところ」というG1にデビュー4年目でたどり着いた菜七子。レース当日は中学校時代の恩師や、親戚も応援に駆けつける。ファンファーレまであと2日。1着でゴールを駆け抜ける姿は、菜七子の中ですでにできあがっている。(松浦 拓馬)

 ◆菜七子のVイメージは?

 展開を含めた実際の騎乗プランは、菜七子が「(15日に)枠順が決まってから」と話しており、実際にはその後に小林オーナー、村山調教師と戦略を練ることになるが、ひと足早く、スポーツ報知が菜七子コパノキッキングのVパターンを先行予想。すでにオーナーサイドから「逃げない」方針が確認されており、戦法は中団から後方でじっくり末脚をためる策。武豊インティがハイペースで逃げる展開に乗じ、直線で外から突き抜けての戴冠か。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年8月9日、茨城県生まれ。21歳。16年3月、美浦・根本康広厩舎からデビュー。JRA初勝利は同年4月10日に福島9Rのサニーデイズ。18年8月25日に、新潟で牧原(現増沢)由貴子のJRA女性最多勝記録を更新する35勝目をマーク、14日現在、JRA通算50勝。好きな食べ物は肉、苦手な食べ物はキュウリ、スイカ、漬物。157・4センチ、45・6キロ。血液型A。

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