JRAは9月30日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため2月29日から実施していた無観客競馬を一部解除し、事前の指定席購入者限定で今月10日から開催競馬場への入場を再開すると発表した。対象の競馬場は東京(1047席)、京都(778席)、新潟(621席)で、当日開催される全場の全レースの馬券が発売される。
これにより、牡牝の3冠がかかるデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴厩舎)の秋華賞(10月18日、京都)、コントレイル(牡3歳、栗東・矢作厩舎)の菊花賞(10月25日、京都)も一部ファンのライブ観戦が可能となった。
指定席券は、事前の会員登録が必要な「指定席ネット予約」での抽選発売で、直近の10、11日分の申し込みはきょう1日の12時半からスタート。詳しい購入方法、料金などの詳細はJRAのホームページで確認できる。
無観客競馬は日本中央競馬会(JRA)となった1954年以降では初めての措置だった。プロ野球やJリーグなど他のスポーツが人数限定で観客の入場を始めたことから、JRAも一度は8月15日からの新潟競馬(9月6日まで)で限定的な観客の入場を発表したが、新型コロナウイルスの新規感染者が高水準で推移していることから無観客継続を決断していた。
今回も感染拡大には細心の注意を払い、発売は指定席ネット予約会員1人につき1席のみ。写真付き身分証明書等の本人確認が行われ、当日はマスク着用が必須。入場時に検温が行われ発熱(37・5度以上)や体調不良が確認された場合は入場できず、パドック、ウイナーズサークル、ゴール前などのコース付近等には立ち入り規制エリアが設置されるなど制限が設けられる。
矢作調教師「ファンの皆さんが来場されるのはうれしいこと。人数が制限されているとはいえ、競馬場でレースを見ていただけるのは励みになりますし、もちろん歓迎します。どの馬もそうでしょうけど、無観客でなくなっても、これくらいの人数なら影響はないと思います。コントレイルも3戦目まで有観客で走っていた訳ですから。神戸新聞杯の後もダメージがなくてよかったです。菊花賞でいいレースができるように頑張ります」
福永騎手「何よりです。こういう形でちょっとずつやっていくしかないですね。これでコントレイルを見てもらえますし、デアリングタクトにしても3冠が懸かっていますからね。京都も(改修前の)最後なので。やっぱり観客のいないレースは寂しいものです。達成感が全然違っていて、(無観客の期間は)大きなパズルのピースが欠けている感じでした」
杉山晴調教師「いずれは有観客になると思っていました。牝馬も牡馬も3冠が懸かっているので、いいタイミングではないでしょうか。デアリングタクトは自分の中にため込むタイプなので無観客でも有観客でも、そんなに変わらないと思います。ファンの皆さんにいいレースを見ていただけたらと思っています」