念願のJRA通年騎手免許試験の受験のため、再び日本の地を踏んだミカエル・ミシェル騎手=フランス=。20年のJRA騎手免許試験は新型コロナウイルス感染拡大の影響で受験を断念したが、それから2年、変わらぬ日本愛を貫いてきた。そんな彼女に、今回の試験に向けた日々、日本競馬について聞いた。
―2年ぶりの日本はどうですか。
「今村聖奈騎手など、女性騎手が活躍していますね。世界的にも女性騎手は少ないし、日本から強い女性騎手が出てくれると、うれしいです」
―JRAには今、4人の女性騎手がいます。
「菜七子騎手はけがからカムバックしましたね。私も、昨年12月に落馬事故で大きなけがをしました」
―12月2日にクロワーズラロッシュ競馬場で4頭の落馬事故に巻き込まれ、鎖骨開放骨折、前頭葉血腫、首骨折という大けがでした。これだけの、事故にもかかわらず、年明けにリハビリを開始し、3月1日にはシャンティイで競馬で復帰しています。
「復帰するには、もちろん怖いという気持ちはありました。そこで、メンタルトレーニングのドクターの診察も受けました」
―野球やサッカーなど、海外のプロスポーツ選手ではメンタルトレーニングを受ける人は多くいます。競馬では珍しいのでは?
「そうですね。先生からはポジティブなイメージができるように指導されます。『馬は悪くないし、怖くないよ』とか、『あなたなら大丈夫、できるよ』とか。ちょっと暗示をかけてもらうような感じでしょうか。菜七子騎手も、けがから復帰して頑張っていますよね。彼女もポジティプな気持ちで、さらに活躍してほしいです」
―今は米国を拠点に騎乗しています。
「米国では、川崎など南関東で乗った経験を生かせました。どちらもダートのスピード勝負。先行有利だという共通点があるんです。この2年の間、たくさんの馬に乗せてもらい成長できたと思っています」
―JRA免許取得に向けた試験対策はどうしていましたか? 参考書を英語とフランス語に翻訳しての猛勉強だったとか。
「それと、フランスでは日本人の先生に日本語を習っていました。日本の競馬のルールもたくさん勉強しましたよ。日本語は難しいです。でも、日本のジョッキーになるのは、私の夢なんです。だから、苦労とかはなかったですね」