【エリザベス女王杯】スタニングローズに騎乗の坂井瑠星騎手 秋の牝馬G1連勝へ「総合力高く精神面も安定」

馬上の坂井と息はぴったりのスタニングローズ
馬上の坂井と息はぴったりのスタニングローズ

◆第47回エリザベス女王杯・G1(11月13日、阪神・芝2200メートル)

 エリザベス女王杯(13日、阪神)は、秋華賞馬スタニングローズに騎乗する坂井瑠星騎手(25)=栗東・矢作厩舎=に注目だ。デビュー7年目となる今年はすでにキャリアハイを大きく更新するJRA83勝を挙げ、秋華賞でG1初制覇と大ブレイク。厩舎の後押しと自らの強固な信念で築き上げてきた絶対的な自信を胸に、2013年のメイショウマンボ以来となる秋の牝馬G1連勝に相棒を導く。

 スタニングローズと臨んだ秋華賞で中央G1初制覇。自身28度目の挑戦で、悲願を達成した。

 「『よっしゃ!』でしょ。最高の気分でした。矢作先生からは『Well done』と。スタッフの人もみんな(競馬場に)残って、おめでとうって言ってくれた。それもうれしかった」

 絶好の位置から、直線では懸命に手綱を押した。相棒も応えて、豪快な伸び脚を繰り出してくれた。

 「スタニングローズの能力を出せるレースをしようと考えていた。追い出したらすごく反応が良かったから、勝ったかなと。これで負けたら仕方ないというレースだった」

 トライアルの紫苑Sを完勝。本番は3番人気で、これまで騎乗したG1では最上位の人気だったが、恐れはなかった。

 「今までで一番チャンスがある、ここをものにするかしないかは大きいと思った。続けて乗れたからこそ不安もなかったし、それだけの準備はしてきた。ずっと、早くレースが来ないかなと思っていた」

 自信は、確かな経験にも裏付けられている。2年目の秋からオーストラリアで1年間の武者修行。言葉の壁にもぶつかりながら、騎手としての心構えを養った。

 「その1年がなければ、全然違う騎手人生を送っていたと思う。海外に行けば乗り馬はリセットされるから、またゼロからやってやろうという覚悟ができた」

 以降も海外での騎乗を続け、25歳にして既に7か国に渡航。今年3月にはドバイのゴドルフィンマイルで、初の海外重賞Vを果たした。

 「(これだけ海外経験がある騎手は)ユタカさん以外いない。(自分が)いない間は厩舎の乗り手が足りなくなるけど、矢作先生が行ってこいって言ってくれるおかげ。感謝しかない」

 秋華賞の3日後、早速スタニングローズとのコンビ継続が発表された。古馬との対戦は初めてだが、秋の3歳女王として胸を張って参戦する。

 「今、外国人ジョッキーがいっぱい来るなかで、続けて乗せてもらえるのは本当にありがたい。(スタニングローズは)競走馬としての総合力が高く、メンタルも安定している。3歳牝馬では大きなアドバンテージ。また阪神の内回りだし、1ハロン延びても条件的には全然問題ない。もう一段(状態が)上がっていればチャンスだと思う」(水納 愛美)

 ◆坂井 瑠星(さかい・りゅうせい)1997年5月31日、東京都生まれ。25歳。父は地方競馬の騎手として活躍し、現在は大井で調教師として開業している坂井英光氏。16年3月に矢作厩舎所属でデビュー。同年4月に初勝利を挙げる。19年の報知杯FR(ノーワン)で重賞初制覇。今年の秋華賞でJRA・G1を初勝利。重賞11勝を含むJRA通算279勝(7日時点)。

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