【香港スプリント前哨戦分析】ステップレースのG2ジョッキークラブスプリントを分析

 香港国際競走が12月11日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄ではG1香港スプリント(芝1200メートル)に向けたステップレースとして、11月20日のG2ジョッキークラブスプリント(シャティン競馬場・芝1200メートル=14頭立て)を取り上げたい。

 ジョッキークラブスプリント組は過去5年の香港スプリントで【4・3・4・31】。この前哨戦での着順が重要で、1着から3着だった馬は本番で【4・2・3・6】、4着以下の馬は【0・1・1・25】と成績に大きな差がある。ジョッキークラブスプリントの3着以内馬を上位に取るのがベストだ。

 今年勝ったのがラッキースワイニーズ(セン4歳、香・マン厩舎)。11番ゲートのスタートから中団7番手を追走し、直線ではパートン騎手のアクションに応えて差し切り勝ちを収めた。勝ち時計は1分07秒55(良馬場)。

 重賞初制覇のラッキースワイニーズは今年2月のデビュー以来10戦7勝、4着以下なしと堅実。今季初戦を制して臨んだ2走前のG2プレミアボウルでも強豪ウェリントンの2着に好走した。ここはG1初挑戦だが、軽視できない。

 3着はデュークワイ(セン7歳、香・ング厩舎)。後方13番手待機から最後は果敢に内を突いて伸びた。ジョッキークラブスプリント3着馬は近5年で5頭出走して、全て3着以内に好走している。本馬は重賞未勝利かつ初G1となるが、2017年ディービーピンも同じ状況で2着に入った。馬券の買い目に加えておきたい。

 4着以下からの巻き返しは難しいが、6着ウェリントン(セン6歳、香・ギブソン厩舎)と8着スカイフィールド(セン6歳、香・ファウンズ厩舎)は押さえが必要だ。

 前者はG1チェアマンズスプリントプライズ(芝1200メートル)を連覇するなどG1・3勝、後者は昨年のG1香港スプリント優勝馬と実績上位。2頭ともこの前哨戦では他馬より2キロ重い58キロを背負っていた。また、ウェリントンはレース後に右後肢のハ行が確認されたし、スカイフィールドにしても外めの13番ゲートであまり無理をしなかった印象がある。この2頭については能力分析で改めて触れたい。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月11日(日)ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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