【オークス】ソーダズリングの音無秀孝調教師「何とかしてくれるんじゃない」武豊に牝馬限定G1初勝利を託す

音無調教師の牝馬限定G1初勝利がかかるソーダズリング
音無調教師の牝馬限定G1初勝利がかかるソーダズリング

◆第84回オークス・G1(5月21日、東京競馬場・芝2400メートル)

 第84回オークス(21日、東京)に、10年間で5頭が連対と好相性の前走フローラS組から1、2着馬が参戦する。2着のソーダズリングは、牝馬限定G1初勝利を目指す音無秀孝調教師(68)が名手・武豊に託す。

 武豊とコンビでのJRA・G1初制覇へ。音無調教師が自身と“縁”の深いオークスにソーダズリングで挑む。「豊がほれ込んでくれているからね。何とかしてくれるんじゃないかな」と名手のエスコートに期待した。このコンビでは過去G1に22度挑戦し、リンカーン(03年有馬記念)の2着が最高。「地方では勝ってるんだけどね」。昨年の交流G1・ジャパンダートダービーでのノットゥルノに続き、今度は中央の頂点を目指す。

 送り出すソーダズリングは、前走のフローラSで2着。スローペースでゴールデンハインドの逃げ切りこそ許したが、優先出走権は確保した。1週前の11日には栗東・坂路で54秒2―12秒6。馬なりでリズミカルなフットワークで駆け上がった。「順調に来ているし、当週にしっかりやれば仕上がる」と予定通り調整を進めている。

 「2000メートルまでしか経験していないし、距離はやってみないと分からない」とトレーナー。だが、前走でも好位でスムーズに折り合ったレースぶりに加え、血統も魅力。半兄ソーヴァリアント、半姉マジックキャッスルは重賞ウィナー。マジックキャッスルは、20年にこのレースで3冠牝馬・デアリングタクトから0秒4差の5着に健闘し、父ハーツクライは14年の勝ち馬・ヌーヴォレコルトを輩出。この舞台設定はフィットするはずだ。

 開業29年目、JRA・G1・14勝を誇る名トレーナーだが、意外にも牝馬限定のG1タイトルは縁がない。騎手時代に唯一、G1を制したオークス。85年の21番人気(28頭立て)のノアノハコブネで波乱を演出し、単勝6270円はオークス史上最高単勝配当額だ。「まだ3戦しか使っていないので伸びしろは大きいと思う」と期待を込めた指揮官。名手もほれ込む素質が覚醒。一気に3歳牝馬の頂点へ駆け上がる。(戸田 和彦)

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