【香港スプリント前哨戦分析】11月19日のジョッキークラブスプリント・G2を海外競馬通・成田幸穂が解説

ラッキースワイネスは馬なりで好時計
ラッキースワイネスは馬なりで好時計

 香港国際競走が12月10日に香港のシャティン競馬場で行われる。小欄ではG1香港スプリント(芝1200メートル)に向けたステップレースとして、11月19日のG2ジョッキークラブスプリント(シャティン競馬場・芝1200メートル、7頭立て)を取り上げたい。

 ジョッキークラブスプリント組は過去5年の香港スプリントで【4・3・5・32】。2018年、2019年、昨年の3レースにおいて1着から3着までを同組が占めたように、本番につながる重要な一戦だ。

 ラッキースワイネス(セン5歳、香・マン厩舎)が昨年に続いて今年も勝利。スタートの出は遅かったが、4番手に取りついて最終コーナー外めから進出すると、じわじわと加速して先頭でゴールを迎えた。勝ち時計は1分8秒42(良馬場)。

 クビ差の2着にビクターザウィナー(セン5歳、香・シャム厩舎)。先手を奪い、残り50メートル付近まで粘る好走を見せた。昨年の香港スプリント勝ち馬ウェリントン(セン7歳、香・リチャーズ厩舎)は3着。好位3番手から末脚を伸ばし、今シーズン初戦かつ本番へ向けた試走をまとめた。

 ラッキースワイネスは昨シーズンの香港最優秀スプリンター。昨年の香港スプリントこそ最後の直線で失速した他馬をさばき切れず6着に敗れたが、その後はG1センテナリースプリントC(芝1200メートル)、G1クイーンズシルバージュビリーC(芝1400メートル)、G1チェアマンズスプリントプライズ(芝1200メートル)と3つのG1を含む重賞6連勝を達成した。

 今シーズンはクラス1ハンデとG2プレミアボウルで連続2着だったが、いずれもハンデ戦で最重量61キロを背負っていた。ジョッキークラブスプリントにしても、2着ビクターザウィナーより2キロ重い斤量58キロを背負い、ラスト400メートルはメンバー中最速の22秒28。申し分ない内容に思えるが、手綱を取るパートン騎手はまだベストの状態にはないと言う。本番での走りを楽しみに待ちたい。

 ウェリントンも斤量58キロで上々の3着。対ラッキースワイネス戦は5連敗だが、大きな衰えを感じさせない。なお、リチャード・ギブソン調教師が昨シーズンを最後に香港のライセンスを更新しなかったため、今回はジェイミー・リチャーズ調教師のもとでの初戦だった。香港2シーズン目を迎えた同師は、移籍前のニュージーランドでチャンピオントレーナーに4度輝き、同国の年度代表馬(2回)メロディベルを手掛けた実績を持つ。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。12月10日(日)16時45分から、ラジオNIKKEI第1「香港国際競走実況中継」に出演予定。

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