【安田記念 吉村が見た】スワーヴリチャード、状態文句なし!ミルコ「素晴らしい」

単走で好時計をマークしたスワーヴリチャード。鞍上のMデムーロは上々の感触をつかんだ
単走で好時計をマークしたスワーヴリチャード。鞍上のMデムーロは上々の感触をつかんだ

◆安田記念・追い切り(30日・栗東トレセン)

 第68回安田記念・G1の追い切りが30日、東西トレセンで行われた。大阪杯でG1初制覇を飾ったスワーヴリチャードは栗東・CWコースの7ハロンからしまい重点で抜群の動きを披露。吉村達記者がコラム「見た」で初めて起用されるマイル戦への対応力を探った。きょう31日に出走馬が確定する。

 スワーヴリチャードに関して、最大の焦点はマイルに対応できるかどうか。取材を進めると、陣営に「一度試してみる」といった軽い考えがないことが強く感じられた。

 大阪杯を勝ち、府中の1600メートル戦に矛先を向けてきた。庄野調教師は「まだまだ可能性を秘めているし、開花させるためにやっている」と参戦の意図を説明。ファン投票の第1回中間発表で1位となった宝塚記念については「(出否は)今週が終わってから」と一蹴し、一戦必勝の姿勢で臨むことを強調した。

 この中間、マイル仕様に変えるような調整は施されていない。「あくまで胸を借りる立場」と繰り返したトレーナーだが、古馬になっての成長について問われると、心身両面で「3歳時の子どもっぽさが消えて“いい男”になった」と笑みが浮かんだ。後半1000メートルを56秒台で走りスピードの持続力を見せた前走の内容と、〈2〉《1》〈2〉《1》《1》着と抜群の安定感を誇る左回りも、自然と自信がみなぎる要因となっているのだろう。

 課題を挙げるなら「ゲートの中で集中できないところがあるから(出が)いい時と悪い時がある」とMデムーロが指摘するスタート。マイルでの出遅れは、中距離戦ほど道中で挽回する余裕がなく致命傷になりかねない。鞍上は中間に2度ゲート練習に付き合った。出たとこ勝負には変わらないが、癖はつかんでいるはずだ。

 最終追い切りは栗東・CWコースを単走でラスト重点に追われた。手綱を執ったミルコは「体が柔らかいし、落ち着いていた。素晴らしい追い切りができた。バッチリ」と胸を張った。状態は文句なし。スペシャリストたちをまとめて負かし、あっさり“2階級制覇”を果たしても驚けない。(吉村 達)

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