6月2日(日本時間3日0時30分)に第239回英ダービーが英エプソム競馬場の芝2400メートルで行われる。主役は英2000ギニーを制した日本生まれのディープインパクト産駒、サクソンウォリアー(牡3歳、愛Aオブライエン厩舎)。父の主戦を務めていた武豊(49)=栗東・フリー=が、海外で活躍するディープ産駒への思いを語った。
昨年8月のデビューから無傷の4連勝で英3冠初戦の2000ギニーを1馬身半差で快勝。各ブックメーカーの前売りでは単勝1倍台の人気を集める。「ディープっぽいよね。そんなに大きくなくて。すごくおとなしそう」と、430~440キロ台で勝ち続けた父に姿を重ねた。
3月のドバイ遠征で同馬の主戦を務めるライアン・ムーアと再会。「『スペシャルな馬』だと言っていた。あれだけ有力馬がいるなかで選んだんだもんね」。世界的オーナーブリーダーのクールモアスタッドが母メイビーを日本に送り込んで生まれた良血馬に、世界の名手もほれ込んでいるという。
フランスでも同じくディープ産駒のスタディオブマン(牡3歳、仏Pバリー厩舎)が、仏ダービー(6月3日、仏シャンティイ競馬場・芝2100メートル)の前哨戦となる仏G2グレフュール賞を3馬身半差で圧勝。本番でも人気を集め、欧州ではディープ旋風が吹いている。
「今、すごく注目されているね。超驚く話ではないけど。アメリカに(ディープが)行ったらアメリカでリーディングサイアーになっていると思うし、ヨーロッパに行ったらヨーロッパでなっていると思う。その馬のジョッキーだったというのは光栄なこと」と胸を張った。
先週の日本ダービーで世代の頂点に輝いたワグネリアンもディープ産駒。日英仏の3か国にわたるダービー制覇も夢ではない。「あり得るよね。それはなかなかないこと」とかつてのパートナーの偉業達成に期待を込めた。(橋本 樹理)