【札幌記念】トーラスジェミニ担当の堀内助手、凱旋門賞2着ナカヤマフェスタの教訓生かし、スーパーG2に挑む

札幌記念で強敵に挑むトーラスジェミニと堀内助手
札幌記念で強敵に挑むトーラスジェミニと堀内助手

◆第56回札幌記念・G2(8月23日・芝2000メートル、札幌競馬場)

 サマー2000シリーズ第4戦、札幌記念(23日)の出走馬が20日、確定した。重賞初Vを狙うトーラスジェミニを担当する堀内岳志助手(46)=美浦・小桧山厩舎=は、10年の凱旋門賞で日本調教馬最高成績タイの2着に入ったナカヤマフェスタを担当。愛馬と悪戦苦闘する日々を経て、G1勝利、海外遠征へとつなげた経験を生かし、4歳馬と臨む夏競馬唯一のG2で重賞奪取を狙う。

 トーラスジェミニのそばには、いつも堀内助手がいる。18年7月のデビューから担当。4歳夏を迎え、めきめきと力をつける愛馬に確かな手応えを感じ取る。堀内助手は「ここにきてさらに良くなっている。ひ弱さが抜けて成長した。相手は強いけど、自分のリズムで競馬ができれば」と期待を持って送り込む。

 忘れられない馬がいる。二ノ宮厩舎に所属していた08年、ナカヤマフェスタを担当した。調教でごねるなど自我の強い馬だった。皐月賞前から調教を嫌がったが、それを無理に抑え込んだことで、セントライト記念前には顕著になった。レースは勝ったが、首をかしげて上がってきた蛯名騎手から「何かおかしい」と伝えられたものの、その言葉に反応できなかった。そのうち、まともに調教ができなくなり、菊花賞で12着、続く中日新聞杯も13着に惨敗。その時のレースVTRを見て、「走るのを嫌がっている」と、ようやく気づいた。

 そこからすべてを変えた。調教でも「納得するまで待つようにした」と馬の個性を尊重。「もう駄目かも」と思った愛馬は宝塚記念を制すると、10年凱旋門賞でのワークフォースに頭差2着へつなげた。「今までの価値観が変わった。馬を抑え込まないようにと」とフェスタの教訓は競馬人生の指針になっている。

 凱旋門賞当時に買った20万円のスーツは、今回は着用せずに挑むつもりだ。「まだ伸びしろがありますから」とトーラスジェミニのさらなる飛躍を夢に描く。愛馬から愛馬へ―。培った経験を注ぎ、スーパーG2を取りに行く。(松末 守司)

 ◆堀内 岳志(ほりうち・たけし)1973年10月5日、大阪・吹田市生まれ、46歳。日大理工学部4年時に競馬学校を受験。不合格となったが、大学を中退し、茨城・内藤牧場に勤務。エルコンドルパサーが2着の99年の凱旋門賞を牧場の研修で現地で観戦。その走りに感動し、二ノ宮調教師に「働かせてほしい」と直談判。富田厩舎を経て、03年10月から二ノ宮厩舎へ。18年2月の同厩舎の解散にともない、現在の小桧山厩舎所属となった。

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