ミシェル騎手、JRA通年騎手免許受験「日本に恋をしました」28日に1次試験

ミカエル・ミシェル騎手
ミカエル・ミシェル騎手

 フランスの女性ジョッキー、ミカエル・ミシェル騎手(27)がJRA通年騎手免許試験を受験することが8日、分かった。関係者によると、7日に締め切られたJRA新規騎手試験への受験を申請。コロナ禍で先延ばしになっていたJRA移籍への挑戦を決めた。同騎手はスポーツ報知の取材に対し、代理人を通じて申請の事実を認め、日本のファンにメッセージを送った。

 ついに夢への“スタート地点”へたどり着いた。JRAは7日、「令和5年度騎手免許試験」(JRA通年騎手免許試験)の申請者数について10人(うちJRA競馬学校生徒6人)と発表していたが、そのうちの1人が、2019年に初来日して以来、“美しすぎる女性ジョッキー”として注目を集めるミシェルだった。過去2年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ビザの取得ができず、来日を断念していたが、入国制限の緩和でビザを取得できる見通しが立ったことでJRAへのチャレンジがついに決まった。

 日本への思いが定まったのは、19年夏に札幌で開催されたワールドオールスタージョッキーズに参戦して初来日した時だった。「日本に恋をしました。JRAの通年免許を取りたい」と直接的な表現で夢を明かしていた。

 20年には地方競馬でブームも巻き起こした。同年1月に南関東の短期免許を取得して来日。地方通算267戦30勝の好成績を挙げ、自らの騎乗スキルの高さを実証した。1回の短期免許期間としては、11年度のアラン・ムンロ(英)、17年度のライアン・クアトロ(仏)の両騎手を抜き去り、最多勝記録更新のおまけ付きだった。一方で、昨年12月にはフランスで落馬事故に巻き込まれて、鎖骨の開放骨折、前頭葉の血腫、首の骨折と診断されるなど騎手生命が危ぶまれる大けがをした。それでも懸命なリハビリの末、今年3月に実戦復帰。同5月には米国に活動拠点を移すなど、日本行きの夢を決して諦めず精力的に活動してきた。

 今月28日に1次試験、来年1月25日には日本語の口述を含む難関の2次試験があり、これも突破すれば、来年3月のJRAデビューが確定的となる。クリストフ・ルメール、ミルコ・デムーロに続く、史上3人目となるJRA外国人ジョッキー誕生となるか、ミシェルの夢への挑戦はこれからが本番だ。

 ◆過去の外国人騎手の受験 デムーロは2013年に受験して不合格だったことが明らかになっている。その当時、皐月賞と日本ダービー、天皇賞・秋も制するなど短期免許でプレーしたJRAで十分な実績を積んでいたが、通年免許に合格したのは15年だった。実績はさほど考慮されず、あくまでも試験の結果が合否の判断材料になっているようだ。一方、ルメールは初受験でデムーロと同じ15年に合格しており、ミシェルにも難関突破の可能性はある。

  • 外国人騎手のJRA騎手免許試験の流れ

    外国人騎手のJRA騎手免許試験の流れ

 ◆ミカエル・ミシェル(Mickaelle Michel)1995年7月15日、フランス・イエール生まれ。27歳。2018年冬にフランスで女性騎手初の開催リーディング獲得。19年8月に札幌競馬場で行われたワールドオールスタージョッキーズで初来日。JRA初勝利を挙げるなど総合3位タイの活躍を見せた。20年には地方の南関東で短期免許を取得して、地方通算267戦30勝。158センチ、48キロ。

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