◆第166回天皇賞・秋・G1(10月30日、東京・芝2000メートル)
第166回天皇賞・秋・G1(30日、東京・芝2000メートル)は、G1馬5頭を含む15頭がエントリー。ドバイ・シーマクラシックでG1・2勝目を挙げた海外遠征帰りの昨年のダービー馬シャフリヤールが筆頭だ。東西本紙予想担当の西山智昭記者と吉村達記者がそれぞれ展望した。
【東京本紙予想担当・西山 智昭の目】
今年は抜けた馬が不在の混戦模様。1週間前の段階から印が足りないほどだが、有力馬のなかで最もジャッジが難しいのは海外遠征帰りのシャフリヤールだ。
前走のプリンスオブウェールズS・英G1は5頭立ての4着。起伏が激しい英国のアスコット競馬場でかなりタフなレースを強いられた。4か月半の間隔を空けたとはいえ、どこまで回復しているか、最終追い切りでチェックする必要がある。
ただ、2走前の海外G1制覇時の鞍上、Cデムーロが短期免許で来日し、コンビ継続が決まったのは魅力。今や世界のトップジョッキーの仲間入りを果たしたMデムーロの弟は日本でもG1・3勝を含め重賞12勝と実績十分。侮れないコンビだ。
現時点での◎はジャックドール。2走前の大阪杯(5着)で連勝が5で止まったが、前走の札幌記念は控える形で結果を出した。東京・芝2000メートル戦を逃げ切るのは困難だけに、脚質の幅が広がったのは大きい。シャフリヤールと同世代の4歳馬に初タイトルのチャンスがあるとみている。(東京本紙予想担当・西山 智昭)
【大阪本紙予想担当・吉村 達の目】
昨年のようなスーパースターはいないが、海外を含めたG1馬が5頭。いつビッグタイトルに手が届いてもおかしくない馬も複数いて、粒ぞろいのメンバーとなった。臨戦過程を含めて注目されるのが、昨年の日本ダービー馬シャフリヤール。上半期にドバイ、英国を転戦し、4か月半ぶりで今年の国内初戦を迎える。
先月16日に栗東帰厩。早めに戻した後も調整はすこぶる順調に進んでいる。今月13日と19日にCWコースで追い切りを消化。3週続けてまたがった福永騎手(レースはCデムーロ騎手)は「身のこなしがいい。完成してきたね」と走りの質を高く評価した。藤原調教師も「海外遠征を経験して精神面がしっかりした」と強調。現時点で印は対抗だが、今週の気配と取材の感触次第では本命に昇格させるかも知れない。
穴っぽいところで気になるのがポタジェ。毎日王冠は久々に加え、他馬より重い斤量58キロが響いた。本来が叩き良化型で、「使ってシャキッとした」と友道調教師。大阪杯覇者の一変がありそうで怖い。(大阪本紙予想担当・吉村 達)