福永祐一『騎手引退式』 阪神競馬場のパドックに父・洋一さんがサプライズ登場

父の福永洋一さん(左)に花束を贈る(中は母の裕美子さん、カメラ・高橋 由二)
父の福永洋一さん(左)に花束を贈る(中は母の裕美子さん、カメラ・高橋 由二)

 史上4位のJRA2636勝の実績を残してジョッキー生活を終え、3月1日に転身した福永祐一調教師=栗東=の『騎手引退式』が同4日、阪神競馬場で行われた。

 『引退式』に先立って、福永調教師はこの日のメイン、チューリップ賞・G2の誘導馬に騎乗して、ファンの前に姿を見せて歓声を浴びた。

 『引退式』は最終レース終了後、多くのファンが見守るパドックで行われた。無敗の3冠を達成したコントレイルの勝負服で姿を見せた『福永騎手』は、恩師の北橋修二元調教師から「努力したことが実ってよく頑張りました」とねぎらわれると、思わず涙。ノースヒルズの前田幸治代表から差し出されたハンカチでぬぐった。引退式では、柔道五輪3連覇の野村忠宏、歌舞伎俳優の市川團十郎からのメッセージが流されたほか、騎手らは引退記念のキャップ、Tシャツのそろいの姿で登場。後輩代表の川田将雅、同期代表の和田竜二、先輩代表の武豊の3騎手からメッセージを受けるとまた涙を流した。

 その後には、天才騎手とうたわれ、落馬事故により引退に追い込まれた父・洋一さんが母・裕美子さんとともに登場。祐一から両親に花束が贈られた。最後にファンへ向けてのあいさつを終えると、パドックの周囲に集まったファンとも別れを惜しんだ。

 福永祐一調教師の『騎手引退式』のあいさつ

 たくさんの方に来ていただいてありがとうございます。思い返すといろいろあるんですけど、福永洋一の息子として生まれてこなければ騎手の道を選ぶこともなかったですし、豊さんの存在がなければ、騎手の道を選ぶことはなかったです。母親に対しては本当に、全く競馬に興味がなかった自分が急に騎手になるということで驚かせましたし、つらい思いをずっとさせつづけてきたなと。27年、こんな親不孝はないと思いながら続けてきましたけど、最後こうやって、けがはありましたけど、健康な状態で引退することができて、ようやく永きにわたった親不孝を終えることできて、ほっとしていますし、申し訳ない気持ちでもいます。僕は福永洋一と北橋修二先生と、その2人の作品だと思っています、ジョッキーとしては。北橋先生には出来が悪くて、迷惑をかけてしまいましたけど、たくさんの方に支えていただいたことで、これだけの勝利数を積み上げてくることができました。僕は、ファンの方のメッセージに『努力の天才』と言っていただきましたが、僕が努力できたのは、たくさんの方が支えてくれたので、その思いに答えるには自分は頑張ることしかできなかったので、本当に思うような結果、もっと勝たないといけないくらい応援してもらいましたが、一生懸命、真面目にやっていくことしかできませんでした。騎手としては27年のキャリアを続けさせていただきました。これからは全く一から、福永祐一の調教師としてのキャリアを積み重ねていこうと思っています。ようやく2人のもとから巣立つことができたのかなと思います。最後もこれだけ多くの方に(引退式に)残っていただいて、本当に幸せな騎手人生でした。自分には過ぎた騎手人生でした。競馬ファンの皆さんに応援してもらえるような馬をまた、競馬場に送り出したいなと思います。最高の騎手人生でした。本当にありがとうございます」

騎手仲間から胴上げで送られる(カメラ・高橋 由二)
騎手仲間から胴上げで送られる(カメラ・高橋 由二)

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