◆第83回桜花賞・G1(4月9日、阪神・芝1600メートル)
名門の底力が怖い。ペリファーニアの祖母ケイティーズファーストは半妹にエリザベス女王杯など重賞9勝のヒシアマゾン。母としてもジャパンCなどG1・3勝を挙げたアドマイヤムーンの母マイケイティーズ、そしてG1・3勝のエフフォーリアと本馬の母でもあるケイティーズハートを送り出した。
一族に共通しているのは気持ちの強さだ。母を管理した宮本調教師が「一生懸命走る馬で、根性があった」と振り返れば、鹿戸調教師はペリファーニアの長所を「真面目で一生懸命走るところかな。牝馬だけど兄たちと同じくらい馬格があって、気持ちもどっしりしている」と分析。前走のチューリップ賞でも初の長距離輸送ながら、カイバをしっかり食べ、馬体を減らすことはなかった。
昨年末のデビューで、キャリアはまだ2戦。2歳夏から一気の4連勝で皐月賞まで制した兄エフフォーリアの背中は遠い。「息遣いなど、まだ少し体力不足のところはあるかな」と指揮官は冷静に分析しながらも、「良化余地を残すなかでも競馬に行くとしっかり走ってくれるし、喉も気にならない」と伸びしろを感じ取る。緩やかだが、着実に右肩上がりに描かれている成長曲線。偉大な血が大一番で目覚めても驚けない。(松井 中央)