【宝塚記念】ルメール騎手にタレント・成瀬琴が直撃「日本馬はなぜ凱旋門賞だけ勝てないと思いますか?」特別対談後編

成瀬琴(左)の直撃に、真摯(しんし)に回答したルメール
成瀬琴(左)の直撃に、真摯(しんし)に回答したルメール

◆第64回宝塚記念・G1(6月25日、阪神・芝2200メートル)

 春のG1シリーズ最終戦、第64回宝塚記念・G1(25日、阪神)を前に、鹿戸雄一調教師=美浦=の長女でタレントの成瀬琴と、イクイノックス(牡4歳、美浦・木村厩舎)に騎乗するクリストフ・ルメール騎手=(44)栗東・フリー=の対談は後編。名手が日本馬の躍進、そして宝塚記念への意気込みを語った。

 成瀬(以下、成)「今年のドバイではイクイノックス(シーマクラシック)を始め、ウシュバテソーロ(ワールドC)も勝利。サウジアラビアでもパンサラッサ(サウジC)が勝ちました。日本の馬の、世界から見たポジションはどうですか?」

 ルメール(以下、ル)「だいたいトップ。どこでも勝てる。サウジアラビア、ドバイ…アメリカでもブリーダーズCを勝った。オーストラリアも香港でも…やっぱり日本馬のレベルはメチャクチャ高い。でもそれは最近じゃなくて、15年前ぐらいから。06年に(私は)ハーツクライでドバイ・シーマクラシックを勝ちました。(日本馬は)まだまだ良くなります。オーナーさんと調教師さんが、海外で豊富な経験をもらいました。海外に行く時は、馬がベストパフォーマンスできますね」

 成「なぜ凱旋門賞だけ勝てないと思いますか?」

 ル「いつも同じ質問されます(笑い)。(凱旋門賞が行われる)ロンシャン競馬場は雨が降ったらすごく重くなって、走りにくくなります。日本馬はそういう馬場に全然慣れていません。フランスに行くタイミングも考えないといけません。ドバイは(レースの)10日ぐらい前に行って、ベストパフォーマンス。フランスに行ってすぐに使ったら、いいかもしれません。良馬場だったら」

 成「イクイノックスは、今まで良馬場でしか走っていませんが、重たい馬場はどうですか? 宝塚記念は雨が降りやすい時期でもあります」

 ル「まだ分かりませんが、父のキタサンブラックが不良馬場の(17年の)天皇賞・秋を勝っているし、大丈夫そう。体はビッグホースじゃないし、そんなに重たくない。スムーズにだんだんと加速していくバレリーナみたいに、軽く走れます」

 成「1週前の調教でイクイノックスに乗って、ドバイの時と比べて、上積みなどはどうですか?」

 ル「(前走の)ドバイでは追い切りには乗らなかった。状態はあまり変わらないと思います。あのパフォーマンスですから、あれより上(の状態)に行けるかは分かりません(笑い)」

 成「宝塚記念への意気込みを聞かせてください」

 ル「ドバイと日本は全然違います。右回り、内回り、18頭立てで馬場も。スーパーホースですけど、競馬の日は集中しないといけません。簡単なレースはありません。状態はいいので、勝つ自信を持たないといけません」(構成・玉木 宏征)

 【取材後記】

 イクイノックスは人なつっこくて、本当にかわいかったです! 実は取材をさせていただいた後、ルメール騎手のご好意で、馬房にいるイクイノックスに会わせていただきました。ドバイで見たレースは衝撃的な強さ。そのときと同じ馬とは考えられないぐらい、すごく穏やかでした。

 そして青鹿毛の馬体がツヤツヤでしなやかで、ルメール騎手もおっしゃっていた「バレリーナ」という表現がとてもよく分かりました。宝塚記念、まずは無事にルメール騎手、イクイノックスに頑張ってほしいです! 応援しています!

 父の鹿戸厩舎がある美浦トレセンはもちろん何度も行ってますが、栗東トレセンは今回が初めて。取材前日は記者の皆さんと同じ寮に宿泊し、一緒に食堂のご飯を食べました。ボリュームたっぷり、そして品数もたっぷりの愛情たくさんのご飯はとってもおいしくて…、おかわりしたことは内緒です。(成瀬 琴)

 ◆成瀬 琴(なるせ・こと)茨城県出身。馬事文化応援グループ「桜花のキセキ」元メンバー。解散後はフリーでタレントとして活動。競馬を好きになったきっかけはゼンノロブロイ。「それまで馬はかわいいものだったけど、泥臭い感じがカッコいいと思いました」。大学では馬術部のマネジャーを務めた。趣味はサウナ。猫を飼っている。

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