【安田記念】大上賢一郎の見解…追い切りがインパクト抜群、本命は左回りもOKなあの馬

芝コースで追い切ったロマンチックウォリアー(カメラ・荒牧 徹)
芝コースで追い切ったロマンチックウォリアー(カメラ・荒牧 徹)

 【東京11R・安田記念】安田記念には6年ぶりの外国馬参戦。香港2騎の一角、ロマンチックウォリアーは、過去に一度も日本馬の先着を許していない。パンサラッサ、レイパパレ、ジャックドール、プログノーシスほか、香港に本気でG1を取りに来た強豪たちをことごとく打ち負かしてきた。「誰かロマンチック止・め・て♪」。鼻歌まじりに日本馬の本命候補選定を進めていたが、東京競馬場の追い切りを見て一気に“戦意”を失った。

 ロマンチックウォリアーが本命。その調教では帯同馬を前に置き、直線残り400メートルで外に持ち出して瞬時にかわすとラスト200メートル11秒5を馬なりでマークした。ブレのないフォーム、水平移動の推進は超一流馬の証し。手綱を執ったマクドナルド騎手の「ここまでいい状態は最近なかった」にも驚かされた。まくって出たプログノーシスを直線でねじ伏せ、3連覇を達成した前走のクイーンエリザベス2世Cにおいても、コンディションは万全でなかった―。そう言っているに等しいコメントだからだ。

クイーンエリザベス2世Cに勝利したロマンチックウォリアー(左)(カメラ・高橋 由二)
クイーンエリザベス2世Cに勝利したロマンチックウォリアー(左)(カメラ・高橋 由二)

 状態の不安が消えれば、次は持ち時計。香港クラシックマイル勝利時の1分33秒8はメンバー中ブービーだが、過去の香港馬の上位入線組を振り返ると、2000年1着フェアリーキングプローン=1分33秒9(香港での持ち時計1分34秒1)、05年3着サイレントウィットネス=1分32秒3(同1分33秒7)、06年1着ブリッシュラック=1分32秒6(同1分33秒7)など。香港シャティン競馬場がパワーを要する洋芝であることと、スタートして5メートルの地点から計測が始まる日本と違い、香港ではゲートが開いた瞬間からスピードに乗る前の区間も計測されるため、日本に来れば、1秒以上時計が詰まるのも珍しいことではない。雨の影響を受ける1分32秒台の決着ならば、余裕で対応してくるだろう。

左回りもOK

 左回りに関しては豪G1・コックスプレートの経験がモノをいう。直線173メートルのムーニーバレー競馬場は4コーナーから仕掛けながら進出することが求められるが、コーナーでの加速にとまどい鞍上の手がいち早く動くも、ゴールで測ったような差し切り勝ち。センスの高さを見せつけた。

 シャム調教師は助手時代にフェアリーキングプローンとともに来日。この春の高松宮記念でもビクターザウィナーを3着好走に導いた。経験値の全てをロマンチックウォリアーに注ぎ込む手腕にも1票を投じたい。

 馬連(7)―(9)(13)(10)(17)(15)(18)(11)(4)。

 ◆シャム師「完全に仕上がっている」○…ロマンチックウォリアーはレース前日の1日、東京競馬場のダートコースで最終調整を行った。帯同馬とともに1周半、軽く流して活気ある動きを見せた。海外遠征は昨年10月の豪州(2戦)に続く2度目。来日後は初めての環境にすぐに順応し、状態に不安はない。シャム調教師は「馬は気分良さそうに走っていた。完全に仕上がっている状態です」と胸を張った。

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