【チャンピオンズC】ダートで覚醒、ジュンライトボルトとコンビ 石川裕紀人騎手G1初制覇へ「自信を持って臨めますね」

石川とのコンビでダートに転じて覚醒したジュンライトボルト(手前)
石川とのコンビでダートに転じて覚醒したジュンライトボルト(手前)
19度目のG1挑戦で初タイトルが見えた石川
19度目のG1挑戦で初タイトルが見えた石川

◆第23回チャンピオンズC・G1(12月4日、中京・ダート1800メートル)

 第23回チャンピオンズC(4日、中京)は、G1初制覇を狙う石川裕紀人騎手(27)=美浦・相沢厩舎=に注目だ。関東10位タイの32勝(29日現在)を挙げ好調をキープ。栗東の名門・友道厩舎のジュンライトボルト(牡5歳)とのコンビで大舞台に臨む好機をつかんだ。

 デビュー9年目の石川にG1初制覇のビッグチャンスが訪れた。関西馬のジュンライトボルトとは、初のダート戦となった3走前のジュライSからコンビを組んだ。2着に敗れはしたものの、安定感のある立ち回りは今後の飛躍を予感させた。「いいタイミングで乗せてもらいましたね」と鞍上は馬との出合いを振り返った。

 続くBSN賞でリステッド初勝利を飾ると、前走のシリウスSではメンバー最速の末脚を繰り出し、一気に連勝で重賞ウィナーへと上り詰めた。「強かったですね。(ダート)3回目ということで、いろんな課題を克服してくれました。まともに砂をかぶってたんで、それも克服できたし、いい内容で勝てました」と成長に目を細める。

 砂上ではいまだ底をみせていないパートナーと挑むG1の舞台。石川は「すでに完成されている馬だと思うので(ダート)適性があったんだと思います。古馬らしい風格がある馬。自信を持って臨めますね」。相手は一気に強化されるが、一歩も引き下がるつもりはない。

 自身は17年にセダブリランテスとのコンビでラジオNIKKEI賞に挑み重賞初制覇。その後も勝ち星を積み重ね、これまでJRAでは6つの重賞タイトルを手にしてきた。中央のG1はこれまでスライリーとのコンビで挑んだ昨年の秋華賞の5着が最高。「楽しみはありますよ。僕は馬の力を信じて乗るだけです」としながらも、G1を意識できる馬?との問いに「そうですね」と力を込めた27歳。まだ見ぬG1タイトルはもう手の届くところにある。(石行 佑介)

連対率は5割超【3314】友道厩舎とも好相性

 名門の底力は侮れない。JRA・G1は190戦16勝。大舞台には欠かせない友道厩舎だが、ダートG1参戦は2016年のフェブラリーS(パッションダンス=16着)のたった1度だけだ。「どうしても、うちは芝の中長距離という馬が多いですから…」と友道調教師。

 ジュンライトボルトは今春にダート路線へ矛先を向け、【2100】と底を見せず、前走のシリウスSで重賞初タイトルをあっさりとつかんだ。「牧場には1年ほど前から『(適性は)ダート』と言われていたんですけどね」と苦笑いを浮かべた。

 手綱を託す石川とのコンビでの厩舎成績は【3314】。連対率は5割を超える。「ジョッキーは3コーナーで上がって行く脚が速い、と言ってくれています」。実は、ドウデュースの凱旋門賞と同週だった前走のシリウスSを含むダート3戦のすべてで現地にいなかったトレーナーだが、今回は新境地を切り開いた愛馬と若武者が迎える大一番を熱い視線で“生観戦”する。(山本 武志)

 ◆石川 裕紀人(いしかわ・ゆきと)1995年9月22日生まれ。東京都出身。美浦・相沢郁厩舎所属の27歳。9年目。同期に松若風馬、小崎綾也ら。JRA通算4611戦240勝(うち重賞6勝=29日現在)。

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