【神戸新聞杯】サトノグランツがレコードでレース史上初3代制覇 ゴール前差し切りに友道康夫調教師「最後の2完歩は声が出ました」

鮮烈なレコード勝ちで重賞2勝目を挙げたサトノグランツ(左)
鮮烈なレコード勝ちで重賞2勝目を挙げたサトノグランツ(左)

◆第71回神戸新聞杯・G2(9月24日、阪神・芝2400メートル)

 菊花賞トライアル(3着までに優先出走権)、第71回神戸新聞杯・G2は24日、阪神競馬場で行われ、日本ダービー11着の3番人気サトノグランツ(川田)が鮮やかに差し切り、コースレコードで重賞2勝目を挙げた。レース史上初の3代制覇を成し遂げ、3冠最終戦で再びの3代制覇に挑む。

 最後の100メートルで、エンジンを全開にした。サトノグランツは全ての力を振り絞るようにスパート。ぐいぐいと駆け上がり、抜け出していたサヴォーナを頭差とらえたところがゴールだった。川田は「よく届いてくれました」と第一声。友道調教師も「最後の2完歩は声が出ました」と興奮冷めやらぬ様子だった。

 従来の記録を0秒6も更新するレコード勝ち。長くしぶとい脚が持ち味だったが、瞬発力勝負にも対応してみせた。「これだけ全体時計が速いなか、そういう競馬は得意ではないはずですが、勝ち切れたのは春からの成長分だと思います」。この日5勝と自身も絶好調だった鞍上は、充実の表情でたたえた。

 指揮官は「自信を持って送った」と胸を張った。「中身がしっかりして、実が入った。地下道で常歩(なみあし)のときから歩く雰囲気も違った」。馬体重は前走から2キロ増とわずかな変化だったが、夏を越して心身ともに着実に成長。「春より進化している」と賛辞が止まらなかった。

 友道調教師は「在厩での(調整の)予定です。距離は全然問題ないと思います」と菊花賞(10月22日、京都)参戦を明言。このレースに続き、祖父ディープインパクト(05年)、父サトノダイヤモンド(16年)との父子3代制覇に挑戦する。父はここから同年の有馬記念まで3連勝。グランプリホースへの夢も広がった。

 今年の3冠最終戦はソールオリエンス、タスティエーラも参戦し、23年ぶりに皐月賞馬とダービー馬が激突する。「まだまだこれからも成長していってくれる馬。このあとも無事に本番を迎えることができれば」と川田。ダービー11着の悔しさを胸に、堂々と2強に立ち向かう。(水納 愛美)

 サトノグランツ 父サトノダイヤモンド、母チェリーコレクト(父オラトリオ)。栗東・友道康夫厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算7戦4勝。総獲得賞金は1億2806万5000円。重賞2勝目。主な勝ち鞍は23年京都新聞杯・G2。馬主は里見治氏。

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