【LJS2025】故郷に錦を飾るか!4度目挑戦の深沢杏花騎手「今回はしっかり結果を出したい」

笠松所属の深沢杏花騎手
笠松所属の深沢杏花騎手

 地方競馬で活躍する女性ジョッキーが腕を競うレディスジョッキーズシリーズ2025(LJS)の開催が迫っている。3月8日に佐賀、同12日に園田で行われ、各競馬場2レース、合計4レースのポイント制で優勝を争う。今年は9人が参戦予定。笠松の深沢杏花騎手(23)=田口輝彦厩舎=は、生まれ故郷の兵庫県での一戦に気合十分だ。2月16日に帯広で行われたエキシビションで英気を養った彼女らに、地方競馬担当の志賀浩子記者が意気込みを聞いた。

 着実に成長を遂げる笠松の深沢杏花が、4度目の挑戦で初優勝を狙う。16日に行われたばんえいエキシビションでは、「練習相手を務めてくれたハクウンリューは昨年、笠松に来てくれたんです。会った瞬間にすぐ分かりました」と久々の再会に大感激。エキシビションでは、ばんえいの女性騎手・竹ケ原茉耶と組んで、リオノカーニバル号で7着だった。

 「ばん馬は力強さがすごいですね。ハミのかけ方など扶助も違って止まってしまったりもありましたが、かっこよかったです。他場の女性騎手とは普段なかなか会えませんが、今回は食事会でもいろいろ話ができて、とても楽しかったです」と満喫した様子だ。

 デビューした20年は4月からの騎乗だったが、13勝をマーク。22年には48勝を挙げ、笠松リーディングのトップ10入り。以降もコンスタントに勝ち星を積み重ねた。20年以降にデビューした女性ジョッキーで通算100勝以上をマークしているのは、兵庫の佐々木世麗と深沢だけだ。

 兵庫県の出身だが、地元でなく笠松競馬を選択。「当時の笠松はジョッキーの数が少なかったので、自分の努力次第で乗り鞍を増やせると思いました。みなさん優しいですし、海も山も近いし。すごくいい環境です」と経緯を語る。

 デビューした年はコロナ禍で無観客開催が続いた。それから5年がたち「最初は周りに迷惑をかけていないかと、気を使いすぎたところがありました。今は自分に余裕が出てきて、周りを気にしつつ、自分のしたいようなレースもできるようになってきました」と振り返る。また、ファンが戻ってきた競馬場には「直線でお客さんの『頑張れ頑張れ』と応援してくれる声が聞こえて気合が入ります」と騎乗にますます力が入る。

 目標とするジョッキーは、同じ東海地区で活躍する女性騎手の宮下瞳。「ただでさえジョッキーの仕事は大変なのに、お母さんの仕事もされて、さらに一線級で活躍するなんてすごいことです。どんな方にも丁寧に対応して、関係者から信頼されています。目標であり、憧れです」と背中を追う。

 LJSには3回(21、22、23年)参戦し、まだ上位には入れていない。今回の舞台は、生まれ故郷の兵庫県にある園田競馬場。23年のヤングジョッキーズシリーズで騎乗(12、7着)しており、「コーナーが少し急で、仕掛けも早いイメージでした。そのあたりに気をつけて乗りたいです」と対策もばっちり。「園田では家族や友人が来てくれる予定なので、とても楽しみです。佐賀も久しぶりですが、今回はしっかり結果を出して勝ちたいですし、優勝を目指します」と意気込む。モットーとする馬に負担をかけない手綱さばきで、故郷に錦を飾る。

 <深沢杏花>(ふかざわ・きょうか)2001年12月17日生まれの23歳。笠松・田口輝彦厩舎所属。2020年4月1日に騎手デビュー。地方競馬通算2695戦134勝(2月28日現在)。勝負服の胴白・赤ダイヤモンド、袖水色・白一本輪は、好きなアリスの世界を表現したもの。趣味は水泳。

 ◇レディスジョッキーズシリーズ 地方競馬の女性騎手が一堂に会する騎手招待競走。2006年に創設され、女性騎手の減少に伴う休止を挟みつつ、今年で10回目の開催となる。総合1位の騎手には50万円が贈られる。

 ◇LJS出場騎手 関本玲花(24)=岩手=、中島良美(26)=浦和=、神尾香澄(23)=川崎=、深沢杏花(23)=笠松=、木之前葵(31)=愛知=、宮下瞳(47)=愛知=、佐々木世麗(22)=兵庫=、塩津璃菜(20)=兵庫=、浜 尚美(23)=高知=

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