
◆報知杯フィリーズレビュー追い切り(3月5日、栗東トレセン)
3重賞の追い切りが5日、東西トレセンで行われた。桜花賞トライアルの第59回報知杯フィリーズレビュー・G2(8日、阪神)は、ダンツエランがG1大敗からの巻き返しへ迫力満点の動きを見せた。
四肢を大きく伸ばし、ダイナミックに駆けた。不良馬場のファンタジーSを制したダンツエランが栗東・CWコースで躍動。雨で重くなったチップも苦にすることもなくグイグイと突き進み、6ハロン82秒8―11秒2。ラストは切れた。「思ったより時計も出ていた。(ラスト1ハロンも)11秒台後半だと思ったけど速かったね」と本田調教師。迫力十分に好仕上がりをアピールした。
前走の阪神JFは17着大敗。スタート直後に他馬と接触。道中でも進路が狭くなりポジションを下げ、頭を上げ折り合いを欠くシーンもあった。ロスの重なった前走は度外視できる一戦。トレーナーは「スムーズに流れに乗れたら」と巻き返しに力を込める。重賞勝ちがある1400メートル戦への距離短縮も、もちろん歓迎だ。
冬を越し、体質も強化された。「見た目は大きく変わらないけど、中身がしっかりしてきた。楽に時計も出ているからね」。完成度が高く、カイバ食いも心配ないタイプ。しっかり調教を積めるのも、この時期の3歳牝馬にとっては大きな強みだ。開幕2週目で直線の短い阪神内回りは、持ち前の先行力とスピードを生かせる舞台設定と言える。
チューリップ賞に使うプランもあったが「桜花賞まで間隔があるからね。1週でも遅い方がいい。桜花賞でピークに持っていけるように」と本田師。春の大目標を見据えて報知杯に矛先を向けてきた。トライアルから結果を出し、同じ仁川の本番でも大輪の桜を咲かせる。(戸田 和彦)