
3月5日に開業した東西9人の調教師のうち、7人が今週末に初陣を迎える。佐藤悠太調教師=栗東=は、8日の阪神8R(ダート1200メートル)にスモーキンビリー(牡5歳、父フリードロップビリー)を送り出す。
開業から1日。慣れない業務を慌ただしくこなし、佐藤調教師は「いろいろと準備が大変でしたが、スタッフが事前に協力してくれていたおかげで円滑に仕事ができました。無事に2日目を終えられてホッとしています」と、充実した表情を浮かべた。
2013年に栗東・田中章博厩舎で調教助手となり、16年9月に栗東・寺島良厩舎へ。23年に調教師試験7回目の挑戦で合格を果たし、昨年は技術調教師として杉山晴厩舎に所属した。その傍ら、田中博、斉藤崇、吉岡調教師らのもとに足を運び、技術の習得に努めた。
21年には吉岡師の開業前の海外研修にも同行した。「吉岡先生は調教師としてのビジョンがすごく明確だなと思いました。人柄もスタッフ思い。昨年もブローザホーンが出てきましたし、調教方法とか、地方から戻ってきた馬を復活させて送り出す姿を見てきました」と、大きな影響を受けている。
目標として掲げたのは「結果を残して生産地に戻せる調教師」。研修で生産牧場を訪れた経験が根本にある。「夏に生産地に行って、競走馬が産まれてから多くの人が関わって、大変な思いをしてここまできていることが分かりました。競馬はブラッドスポーツ。成績を残せないと、生産地には帰れないですから」。強い思いを胸に秘め、勝利を追い求める。