
◆第62回報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2(3月9日、中山競馬場・芝2000メートル=3着馬までに皐月賞への優先出走権、稍重)
今年からフィリーズレビューと同一週開催となった「報知杯」で伝統の皐月賞トライアルに3歳牡馬14頭が出走し、杉原誠人騎手が騎乗した単勝7番人気のファウストラーゼン(栗東・西村真幸厩舎、父モズアスコット)が、デビュー4戦目で重賞初勝利を飾った。同馬は前走のホープフルSで17番人気だったが、思い切ったまくりで3着と健闘。同じ舞台で今回は、まくって最後まで粘り抜いた。勝ち時計は2分1秒3。
芝&ダートの二刀流G1制覇をした父モズアスコットの産駒は重賞初勝利。西村調教師はファストフォースで制した2023年の高松宮記念以来、2年ぶりの重賞勝利となった。関西馬の勝利は2019年メイショウテンゲン以来、6年ぶりとなる。
2番人気のヴィンセンシオ(クリストフ・ルメール騎手)が2着。5番人気のアロヒアリイ(横山和生騎手)が3着。上位3頭が皐月賞・G1(4月20日・中山競馬場、芝2000メートル)への優先出走権を獲得した。
杉原誠人騎手(ファウストラーゼン=1着)「前回がうまくいったし、この馬を信じて、最後まで持ちこたえてくれるだろうと思っていました。2コーナーに入ったところでだいぶ遅く、ここにいてもしょうがないと思った。すごく心肺能力が高い馬。ヨーイドンは分が悪いので、そうならないように乗りました。本当に頑張り屋で、長くいい脚を使ってくれる。中山も向いていますね。(皐月賞に向けて)まずは無事に行ってくれればです。(自身は牡馬クラシック初騎乗)そういえば、そうですね! 気合が入りますよ。ただ、今回は強い相手もいますし、本当にまずは無事にというところです」
西村真幸調教師(ファウストラーゼン=1着)「スタートはちゃんと練習していて、練習ではうまくいっていたんですけどね。出てくれなかった。まくってもいけるなと思っているのは、この馬にスタミナがあるから。思い切っていけ、と言っていた。まあBプランではありましたけど。(宮崎俊也)オーナーに初G1をなんとか勝たせたいという思いがあるので、プレゼントできるようにしたい。オンとオフがハッキリしている馬で、スイッチが入ると気性の激しいところを出す。今日も最後に勝負根性を見せてくれた。ゲートはこれからも練習していく。身体全体の成長はどんどんしてくれると思う。身体がしっかり成長すれば、スタートも出ると思う。まだ能力だけで走っている。ちゃんと完成して2、3番手が取れれば、あんなリスクを負うことがない。(皐月賞も)引き続き杉原でいきます」