【報知杯FR】1億8500万円の期待馬ついに重賞初制覇 桜花賞切符つかんだ 池添謙一最多タイ3勝目 

ショウナンザナドゥ(右)は差し切って重賞初勝利(カメラ・高橋 由二)
ショウナンザナドゥ(右)は差し切って重賞初勝利(カメラ・高橋 由二)

◆第59回報知杯フィリーズレビュー・G2(3月8日、阪神競馬場・芝1400メートル=3着馬までに桜花賞への優先出走権、良)

 桜花賞(4月13日、阪神)トライアルの第59回報知杯フィリーズレビュー・G2は8日、阪神競馬場で争われ、単勝3番人気のショウナンザナドゥが鋭く差し切り、重賞初制覇を飾った。全戦で手綱を執る池添謙一騎手(45)=栗東・フリー=は歴代最多タイ3勝目。2着チェルビアット、3着ボンヌソワレまでが優先出走権を得た。

 桜花賞への扉をこじ開けた。池添の胸中を様々な感情が駆け巡った。左ムチで鼓舞したショウナンザナドゥが、重賞初Vのゴールを駆け抜ける瞬間、馬上で力強く左拳を握った。検量室前で松下調教師らと顔を合わせると、今度は安堵(あんど)感に包まれた。「ホッとした」と第一声。「G1ぐらいのガッツポーズしたわ」とちょっぴり照れた。

 ビクトリーロードを突き抜けた。道中は中団を追走。「道中の雰囲気は良かったですし、いい走りをしていた」。手綱から伝わる抜群の感触。「直線を向いて、いい反応をしてくれたので、まとめていけるんじゃないかなと思いました」。イメージ通りにメンバー最速タイの末脚で4角後方から鮮やかに差し切った。

 22年セレクトセール当歳で1億8500万円で取引された期待馬。「フォームや身のこなしが、自分が今まで乗せてもらった一流馬に通ずるものがある」とデビュー前から才能にほれ込み、今年の牝馬クラシックをこの馬とともに歩むと決めていた。「(G1など)大きな舞台で結果を出したい」と立てた年頭の誓い。ザナドゥとの桜花賞も頭の中で思い描いていた。

 阪神JF4着など重賞戦線で結果を残せなかったが、ようやくタイトルをつかんだ。池添自身、報知杯FR3度目の勝利は武豊、安藤勝己に並ぶ騎手の歴代トップ。「欲を言えばもっと体が増えてほしい。またプラス体重で出られれば、やれてもいいと思います」と池添。5週間後の仁川で、今度は満開の桜を咲かせる。(戸田 和彦)

 ショウナンザナドゥ 父キズナ、母ミスエーニョ(父プルピット)。栗東・松下武士厩舎の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は6戦2勝。重賞初制覇。総獲得賞金は7881万6000円。馬主は国本哲秀氏。

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