
◆阪神大賞典追い切り(19日・栗東トレセン)
今週末の4重賞の追い切りが19日、東西トレセンで行われ、第73回阪神大賞典・G2(23日、阪神=1着馬に天皇賞・春への優先出走権)で重賞初制覇を目指すショウナンラプンタは、吹雪の栗東・坂路を力強く駆け上がり、万全の態勢を整えた。
吹雪に立ち向かうように、堂々と駆け上がった。ショウナンラプンタは栗東・坂路で単走。この日の栗東は朝8時頃から雪がちらつき、積もりはしなかったものの、30分で季節はずれの暴風雪に見舞われた。だが、4歳のキズナ産駒は重馬場をものともせず、力強い踏み込み。適度な前進気勢を保ってゴールし、53秒9―12秒1をマークした。高野調教師は「動きは問題なく、予定通りのことができた。走る気になっている。ムンムンとした感じ」と目を細めた。
デビュー時から口向きが課題。しかし、3歳初戦のゆきやなぎ賞(1着)から改善の兆しを見せ、今では不安が解消された。高野師は「スタッフと今まで乗ってくれていたジョッキー(鮫島駿)、牧場と、色んな人が同じベクトルで」と取り組みの成果を実感する。
3000メートルは昨年の菊花賞以来2度目。その2走前は出入りの激しい特殊な展開に苦労しながらも、4着と健闘した。「G1でしたし最後は疲れていましたが、3000メートルは走れたという見立て」と距離に不安はない。
今回は、阪神大賞典で歴代最多の8勝を挙げる武豊との新コンビ。指揮官は「僕が子供の頃は、武豊さんばっかり勝っていたイメージです」と懐かしむ。先週の追い切り後、鞍上からは「『能力あるね』と言ってもらいました」と高評価を受けた。これまでG2で2着2回、3着1回。名手に導かれ、待望の初タイトルを奪取する。(水納 愛美)