◆第60回クイーンC・G3(2月15日、東京競馬場・芝1600メートル)
非凡な瞬発力が大舞台を意識させる。前走で2勝目を手にしたエンブロイダリー(牝3歳、美浦・森一誠厩舎)にとって、東京コースが現状では最も能力を発揮できる舞台だろう。東京の芝7ハロン戦だった前走は、超スローの前半こそやや行きたがるそぶりを見せたものの、早めに先団を射程圏に入れ残り300メートルからの右ムチ2発で完勝。4戦連続となるメンバー最速の末脚を繰り出して勝負をつけた内容は、明らかに重賞級かそれ以上を期待させるものだった。
マイル戦は2戦で勝利はないが、初戦(2着)は勝ち馬に出し抜けを食らった格好で、2走前のサフラン賞(5着)は直線が短い中山で4角ほぼ最後方という厳しい競馬。力負けではない。森一調教師の「瞬発力はこの世代でトップクラスだと思っています」という言葉からも期待の大きさが伝わるアドマイヤマーズ産駒の重賞初挑戦に、大いに注目したい。(石行 佑介)