【エリザベス女王杯】岡オーナー、アカイイトに引退ヨカヨカの思いも託し大舞台へ挑む

「ファンを魅了する馬をつくるのが使命」と語る岡オーナー
「ファンを魅了する馬をつくるのが使命」と語る岡オーナー
岡オーナーの期待を背負ってG1に初挑戦するアカイイト
岡オーナーの期待を背負ってG1に初挑戦するアカイイト

◆第46回エリザベス女王杯・G1(11月14日、阪神・芝2200メートル)

 第46回エリザベス女王杯(14日、阪神)に出走するアカイイトの岡浩二オーナー(56)は今年、JRA重賞2勝と躍進。G1初制覇、そして馬主業にかける思いを語った。

 ―5月の京都ハイジャンプ(マーニ)でJRA重賞初制覇。8月にはヨカヨカで北九州記念も勝ちました。まずは岡さんが馬主になったきっかけを教えてください。

 「近畿大学時代の先輩の山口明久さんから誘われたんです。息子の裕介さん(リフレイムなどのオーナー)が育成を始めて『息子が馬を共有で買ったから』と」

 ―ヨカヨカは残念ながらスプリンターズSの挑戦目前に骨折が判明し、繁殖入りとなりました。

 「3年前に恩師の近大空手道部・木島明彦監督が亡くなって以来の、大きなショックでした。ホンマに冗談やろと…。まだ思い出します。何よりファンに申し訳ないと思いました。ものすごく応援してくれていましたから。夢は産駒に託したいですね」

 ―エリザベス女王杯にはアカイイトで参戦。母(ウアジェト)も所有されていた馬では初のG1挑戦です。

 「最終的に繁殖に上げる際に、血統書でブラックタイプ(重賞5着以内)で太字にして箔(はく)をつけたいんです。リステッドで何勝したかよりも、重賞5着以内の方が僕としては価値が高い。『6勝』よりも『4勝+重賞5着以内』の方がパッと見た時にいいんです」

 ―そういう考え方もあるんですね。期待のほどは。

 「ノーチャンスではないと思っています。ノリちゃん(横山典)も『どっちかというとパワーのある馬』と言ってくれている。阪神は合うし、重馬場になれば面白いのでは」

 ―今回はヨカヨカの主戦だった幸英明騎手との初コンビです。

 「みゆぴ~(幸)は、馬主になる前に知人に紹介してもらって、最初に知り合った騎手なんです。これも何かの縁ですね」

 ―18年には北海道日高郡に、生産牧場のサンデーヒルズを開場しました。

 「16年に土地を買って、工事に3年かかりました。自分の思うような血統、生産技術で色を出したいというのが一番の理由です。(ファンタジーS5着の)アネゴハダは生産馬として2頭目のデビュー。初勝利の時は喜びもひとしおでした。先週はモウショウも勝ってくれて、3頭デビューして2頭勝ち上がりました」

 ―京都馬主協会の広報も務められています。

 「若くして広報の責任者にしてもらい、大八木信行会長に深く感謝しています。競馬がもっともっとスポーツ化されてほしい。オリンピックで『誰々が勝った』と言われるような感じに馬もなれば、馬主として生きがいがあります。レースを見る人がたくさん増えてほしいし、そうなる馬をつくりたいですね」

 ―ヨカヨカの子どもも楽しみです。

 「初子は小さく生まれるので考え中ですが、先日も(ノースヒルズの)前田幸治会長と『コントレイルから行こうか、キズナにしようか』と話していました。ファンも喜んでくれると思うし、夢が広がりますよね。やっぱりファンを魅了する馬をつくるのが、我々の使命。応援してもらえる馬をつくるのが楽しいなと思うようになりました」

 ―最後に夢を教えてください。

 「やっぱりダービーですね。まずはG1。海外のG1も取りたい。夢は尽きませんよ」(聞き手・玉木 宏征)※記事を一部修正しました。

 ◆岡 浩二(おか・こうじ)大阪市生まれ。56歳。株式会社ランテック(大阪市城東区)代表取締役。日本馬主協会連合会の社会貢献・広報副委員長を務め、京都馬主協会では常務理事および広報委員長。ノースヒルズの前田幸治会長を師と仰ぐ。代表馬に10~13年に交流重賞を4勝したセレスハントなど。母子家庭で育ち、「母が徳之島(鹿児島県)出身だから九州産の馬を愛している」。

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