【フェブラリーS】サウジから駆けつけ騎乗の「キング姐さん」 女性騎手初G1制覇 東京で5戦負けなしパートナー初V導いた

コスタノヴァ(右)が直線で力強く抜け出しG1初制覇(カメラ・荒牧 徹)
コスタノヴァ(右)が直線で力強く抜け出しG1初制覇(カメラ・荒牧 徹)
キングは勝利騎手インタビューでスマイル全開
キングは勝利騎手インタビューでスマイル全開

◆第42回フェブラリーS・G1(2月23日、東京競馬場・ダート1600メートル、良)

 第42回フェブラリーS・G1が23日、東京競馬場で行われ、単勝2番人気のコスタノヴァがG1初制覇。初コンビのレイチェル・キング騎手(34)=英国・豪州拠点=は女性騎手で初のJRA平地G1勝利を飾った。22、23年の年度代表馬イクイノックスといった名馬を管理してきた木村哲也調教師(52)=美浦=は通算34個目の重賞タイトルが、初のダートG1となった。

 歴史的な勝利をかみ締めた。キングは右拳をグッと握り締め、コスタノヴァと先頭でゴールに飛び込んだ。「本当に大事なレースの勝利ということで感動しています」。女性騎手として史上初めてのJRA平地G1勝利。初騎乗とは思えない完璧なリードで快挙を成し遂げた。

 「一歩目は速くないけど、二、三歩目でスピードに乗る」と出脚が鈍いのは想定内。内から2頭目の先団6番手に誘導すると、4コーナーでは冷静にクリアになった外に持ち出した。「いつも東京の直線は長いと思うが、いつも以上に長く感じた。1600メートルをもつイメージで乗ったので、自信を持って追いました」。東京で5戦負けなしのパートナーを信頼。直線半ばで抜け出すと、最後も内を伸びてきたサンライズジパングを3/4馬身差で余裕を持って退けた。

 強行軍もはねのけた。鞍上は日本時間の土曜未明までサウジアラビアで行われた「インターナショナルジョッキーズチャレンジ」に参戦。「飛行機で寝ることが得意なので」と疲れた様子は皆無で、スマイルを振りまいた。サウジではコスタノヴァに騎乗経験があるルメールともコンタクトを取り、「木村調教師や厩舎スタッフからも情報共有してもらった」。大仕事へ準備は万端だった。

 日本で大仕事をやってのけた“キング姐さん”は昨年に続き今年も2つ目のタイトル獲得に「今年は(昨年より)さらにサポートしていただいている気がしている」と関係者に感謝。今年の短期免許ラストウィークへ「しっかりと結果を出したい」と早くも気を引き締めた。サウジCの感動に負けじと、キング&コスタノヴァが記録にも記憶にも残る勝利を届けた。(浅子 祐貴)

 コスタノヴァ 父ロードカナロア、母カラフルブラッサム(父ハーツクライ)。美浦・木村哲也厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算10戦7勝(うち地方1戦0勝)。主な勝ち鞍は25年根岸S・G3。総獲得賞金は2億4089万1000円。馬主は吉田勝己氏。

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