【サウジC】「人生で最高の瞬間」坂井瑠星騎手がフォーエバーヤングと海外G1初制覇 1着賞金15.7億円ゲット

フォーエバーヤング(右)がゴール寸前で差し切りサウジC制覇(カメラ・高橋 由二)
フォーエバーヤング(右)がゴール寸前で差し切りサウジC制覇(カメラ・高橋 由二)

◆サウジカップ・G1(日本時間2月23日、サウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)

 JRA海外馬券発売対象の第6回サウジC・G1は日本時間23日(現地時間22日)にサウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われ、坂井瑠星騎手(27)=栗東・矢作厩舎=騎乗の日本調教馬フォーエバーヤングが1分49秒09のコースレコードで海外G1初制覇。香港最強馬ロマンチックウォリアーとの壮絶なマッチレースを制し、世界最高の1着賞金1000万ドル(約15億7024万円)を獲得した。次走は史上初となるドバイ・ワールドC(4月5日、メイダン)との連勝に挑む。

 歴史に残る壮絶なマッチレースを制した。フォーエバーヤングは坂井の右ムチに応えるように、ゴールまで力強く伸び続けた。後続を大きく引き離し、ロマンチックウォリアーと繰り広げた“別次元”の叩き合い。香港最強馬を首差抑え、歓喜のゴールに飛び込み強さを世界に誇示した。「(シンエンペラーのネオムターフCと2勝し)間違いなく人生で最高の瞬間になりました」。馬上の坂井は右拳を握り感情を爆発させた。サウジの騎手への賞金配分は10%(JRAは5%)。2分足らずで1億5700万円余りをゲットした。

 最後の直線。一度はライバルに2馬身ほどのリードを許したが、人馬とも決してあきらめなかった。「負けると思った瞬間はなかった」と鞍上。パートナーの能力を信じ鼓舞し続けた。「馬を信じるしかなかった。逆転したら映画より素敵だなと思っていました」と矢作調教師。「私が手がけた馬のなかでも最高の馬だなと確信しました」。世界を股にかけるトップトレーナーも能力、そして勝負根性に最敬礼。自身が手がけたリアルスティールの産駒で、まな弟子・坂井と初めてつかんだ海外のビッグタイトルの喜びをかみ締めた。

 「あのレースはなかなかないでしょ。本当にそう(後々に語り継ぎたいレース)だと思います」と激闘を振り返ったトレーナー。だが、世界最高賞金を誇るビッグレースで23年パンサラッサ以来、史上初となる2勝目を手にしても「残念だったのは、中立地でアメリカのトップとやれなかったこと。アメリカの超一線級は出てきてないですから、それを負かしてこそだと思ってます」と、まだ道半ばと話す。

 世界の頂点へ、次に見据えるのはドバイ・ワールドC・G1(4月5日、メイダン競馬場・ダート2000メートル)との“2冠”。「サウジとドバイをダブル(連勝)した馬はいない。それを何とか成し遂げたい」と力を込めた。昨年のケンタッキーダービー、ブリーダーズCクラシックともに3着で逃した。正真正銘の“世界最強”の座に就くまで、フォーエバーヤングの挑戦は止まらない。

 フォーエバーヤング 父リアルスティール、母フォエヴァーダーリング(父コングラツ)。栗東・矢作芳人厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算10戦8勝(うち地方4戦4勝、海外5戦3勝)。主な勝ち鞍はJBC2歳優駿・Jpn3、全日本2歳優駿・Jpn1(ともに23年)。サウジダービー・G3、UAEダービー・G2、ジャパンダートクラシック・Jpn1、東京大賞典・G1(いずれも24年)。馬主は藤田晋氏。

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