
3月2日の阪神4R・3歳1勝クラス(ダート1200メートル=16頭立て)で木原一良調教師=栗東=が2番人気のヤマニンチェルキ(牡3歳、栗東・木原一良厩舎、父フォーウィールドライブ)で勝利し、有終の美を飾った。「こんな劇的な勝ち方もあるんだね」。管理馬のラストランで首差の接戦を制した。
4番手で迎えた最後の直線。逃げ込みを図ったアスタールフナに、酒井のムチに応えるようにヤマニンチェルキが一完歩ずつ詰め寄った。酒井は「力が入ったな」と振り返り、しぶとくゴール前で差し切るとレース後は目を潤ませ関係者らから祝福を受け何度も抱き合った。「最後はしぶとく差し切ってくれた。木原先生の花道を飾れてとにかくうれしい。最後を任せてもらったのは光栄」と手綱を執った鞍上も涙に暮れた。
17年チャンピオンズC(テイエムジンソク)の2着が最高着順でG1制覇には手が届かなかったが、重賞11勝を含むJRA通算353勝をマークした。「もう1年やりたいな」と本音もこぼれた。「絶対に上にいく馬と見ている。今後も楽しみ。応援して下さい」と最後の白星をプレゼントしてくれたチェルキの今後に思いをはせた。