◆ヴィクトリアマイル・G1(5月14日、東京競馬場・芝1600メートル)追い切り=5月10日、美浦トレセン
第18回ヴィクトリアマイル(14日、東京)の追い切りが10日、東西のトレセンで行われた。昨年の2冠牝馬、スターズオンアースは条件が好転する今回で3戦ぶり勝利を挙げる可能性をイシゴー(石行佑介)記者が「見た」で探った。
昨年の牝馬2冠を手にしたスターズオンアースだが、3冠の懸かった秋華賞は3着、古馬初戦となった前走の大阪杯は2着と取りこぼした。ともにスタートのタイミングが合わず、苦しい位置からの競馬を強いられたが、最後の直線では猛追。高いポテンシャルは証明したと思う。
今回は昨年の桜花賞以来となるマイル戦。距離を短縮するだけに、やはりポイントは課題のゲートだろう。ルメールが「最初にスピードに乗れるかがカギになるのでスタートが大事になる」と指摘すれば、高柳瑞調教師も「練習していて、出てはいます」と対策を施していることを強調する。
魅力的に映るのは舞台設定だ。長くいい脚を使えるだけに、近2走の阪神内回りからワンターンで直線の長い東京に替わるのは間違いなくプラス。さらにルメールは東京で18年以降、騎手別で断トツの重賞34勝。勝率も28・3%とライバルを大きく引き離す。今年2月の東京では1開催24勝の最多勝記録も打ち立てた。
状態は文句のつけようがない。この日は美浦・Wコースで僚馬を4馬身追走から、余力十分に半馬身前に出てのフィニッシュだった。1週前に抜群の前進気勢を見せ、6ハロン83秒1―11秒1を出した動きと遜色のない弾むような走りで同82秒9―11秒3をマークした。
騎乗したルメールからも「競馬を1回使ったので、コンディションは上がってきたし、状態は完璧になりました」と力強い太鼓判。さらに「すごくいい馬ですから、改めて新しいG1を勝ちたい」と言葉を続けた。復活の勝利を挙げ、さらなる飛躍へと向かうには絶好の条件がそろった一戦と言える。(石行 佑介)