
◆第74回スプリングS・G2(3月16日、中山・芝1800メートル=3着馬までに皐月賞の優先出走権)
皐月賞トライアル(3着まで優先出走権)の第74回スプリングS・G2(16日、中山)に出走予定のスナークピカソ(栗東・高橋一哉厩舎)、ニホンピロデヴィン(栗東・緒方努厩舎)、ピコチャンブラック(美浦・上原佑紀厩舎)は、いずれも開業3年目までの調教師が管理する。人馬ともに重賞初制覇をつかみ、クラシック戦線へ―。若手トレーナー3人は期待を込めて送り出す。
能力があるのは間違いない。キタサンブラック産駒のピコチャンブラックは昨年7月に行われた福島の新馬戦(芝2000メートル)が逃げて7馬身差V。2戦目となったアイビーSではのちに共同通信杯を勝つマスカレードボールの2着に好走した。
6日の1週前追い切りも抜群だった。石橋が3週連続で騎乗し、美浦・Wコースでウィズダムハート(5歳1勝クラス)、カラーオブジアース(4歳1勝クラス)と3頭併せ。前との差をグングン詰め、残り100メートルでグイッと出て最先着し5ハロン65秒9―11秒3をマークした。上原佑調教師も「1週間は折り合いの確認。平常心で走ることができるかが課題で、行きたがってはいましたが、許容範囲だったと思います」と及第点を与えた。
開業3年目。最も重賞に近づいたのが昨年のスプリングS(アレグロブリランテ=2着)だった。同馬はクラシックにも挑戦し、皐月賞15着、菊花賞10着だった。それから1年。巡り合ったピコチャンブラックと今年こその思いは強いはず。
同馬の前走ホープフルSは13着。指揮官は「前回、初めてもまれる形になりました。まだ幼さがあるので、そのあたりのもろさが出たかなと思います」と分析。「経験が今回に生きてくればいいですね。普通に走ってくれば結果はついてくると思います」。飛躍につながる厩舎初のタイトルを視界にとらえている。
(浅子 祐貴)
◆上原 佑紀(うえはら・ゆうき)1990年1月29日、東京都出身。35歳。平成生まれ最初の調教師として23年に美浦で開業。JRA通算43勝。父はダイワメジャーなどでG16勝の上原博之調教師。