
◆第74回スプリングS・G2(3月16日、中山・芝1800メートル=3着馬までに皐月賞の優先出走権)
皐月賞トライアル(3着まで優先出走権)の第74回スプリングS・G2(16日、中山)に出走予定のスナークピカソ(栗東・高橋一哉厩舎)、ニホンピロデヴィン(栗東・緒方努厩舎)、ピコチャンブラック(美浦・上原佑紀厩舎)は、いずれも開業3年目までの調教師が管理する。人馬ともに重賞初制覇をつかみ、クラシック戦線へ―。若手トレーナー3人は期待を込めて送り出す。
23年の12月に調教師試験に合格したのち、わずか約3か月の準備期間で昨年3月に開業した高橋一調教師。「調教師試験に合格した同期が今年開業する姿を見て、1年前を思い出しましたよ」と笑った。他の同期よりもひと足先に調教師としての経験を積み、昨年はJRAで6勝を挙げた。今年はすでに4勝と、確実に数字を伸ばしてきている。
スプリングSにはスナークピカソを送り込む。未勝利戦を勝ったばかりだが、小回り1800メートル向きの先行力が売りだ。「一戦ごとに良くなっていますし、コーナー4つの舞台は合っています。強い相手と戦うことで、さらに成長してほしい」と期待した。
6回目の重賞挑戦となる今回は、皐月賞の優先権取りに挑む。「重賞に使う馬がいると、スタッフのモチベーションも上がってきますし、厩舎のみんなにいい効果があると思います」とトレーナーは目を輝かせた。
昨年の6勝中、何と11番人気での勝利が3回。スナークピカソにも激走の可能性がある。「馬は一頭一頭、適性が違います。その馬の一番合う条件で走らせてあげることですね」と話す、2年目の若き指揮官に注目したい。(山下 優)
◆高橋 一哉(たかはし・かずや)1986年3月4日、新潟県出身。39歳。10年10月に競馬学校の厩務員課程に入学。村山厩舎、鈴木孝厩舎の調教助手を経て、24年に栗東で開業。JRA通算10勝。