
◆第59回共同通信杯・G3(2月16日、東京・芝1800メートル)
第59回共同通信杯・G3(16日、東京)の出走馬が13日、確定した。「小さな巨人」が馬名の由来のリトルジャイアンツを送り出す村田一誠調教師(46)=美浦=は開業5年目での平地重賞初制覇を狙う。若竹賞で後方から豪快に差し切った後も順調に進めてきた。
クラシック戦線の新風だ。前走の若竹賞を直線一気の追い込みで制したリトルジャイアンツは、重賞初挑戦でも侮れない存在だ。今年で開業5年目となる村田調教師も、厩舎として平地重賞初制覇がかかる。指揮官は「大きいところを狙っていきたいし、ここで賞金を加算したい。楽しみです」と大舞台を見据えて胸を高ぶらせている。
オーナーが23年の北海道サマーセールで2100万円で落札したときから、思い入れは強い。「パッと見て、一目ぼれした馬。顔が良くて、芯がしっかりしていると思った」と、村田師。馬名の意味由来は「小さな巨人」で、「私からは(オーナーに)何も言っていませんけど、あの馬は最初は小さな馬だったんです」。昨年7月の福島での新馬戦(2着)当時は馬体重436キロだったが、前走時は450キロになるなど成長を喜ぶ横顔は“ジャイアンツ愛”にあふれている。
デビュー3戦目からコンビを組む大先輩の横山典を、騎手時代から尊敬し、調教師となってからは「頼りになるジョッキー」と信頼を寄せる。馬の気持ちを大事にするスタイルで、近2走で見せた末脚を生かした乗り方にはうならされた。「馬に段階を踏んで教えていって、親身になって調教師と話をしてやってくれる。一緒につくってくれるのは心強いです」と全幅の信頼を寄せている。
追い切り翌日の13日は、軽い運動とプールで調整した。村田師は「いい状態で競馬にいけそうですよ」と明るい声。固い絆で結ばれてきた人馬が、闘魂こめてタイトルをつかみ取る。(坂本 達洋)