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TCK特別区競馬組合(大井競馬場)は2月14日、的場文男騎手(68)=東京都騎手会=が、3月31日付けで引退すると発表した。
同騎手は左膝じん帯の損傷で昨年2月13日から休養していたが、7月8日に5か月ぶりに復帰。その初戦となる大井3Rで3着と奮闘したが、この一戦で怪我が再発し、再度戦列を離れることになった。その休養中の7月26日に大井競馬の主催者から、「的場騎手が大井競馬施設内で起こした騎手同士の金銭上のトラブル」の処分が発表され、同月29日から8月1日までの騎乗停止となった。
以降の騎乗がないままでの引退となったが、的場は以前から「復帰初日に乗って膝に違和感があった。年齢的なものもあるしね」と、負傷した膝への不安を考え、馬上を去る意向を示していた。
同騎手は1973年10月16日にデビューし、地方通算4万3497戦7424勝。大井競馬リーディングを21回、地方競馬全国リーディングを2回獲得。2018年8月12日には地方通算7152勝を挙げ、それまで佐々木竹見氏の持ってた日本記録を17年ぶりに更新した。
重賞は2007年帝王賞・Jpn1(当時)をボンネビルレコードで制すなど154勝。2018年東京記念・SIをシュテルングランツで制し、自身の持つ最高齢重賞制覇の記録を62歳0か月12日に更新するなど、数々の記録を樹立。ファンから「大井の帝王」と呼ばれ活躍を続けた。
週明けの2月17日に、的場騎手の記者会見が予定されている。51年5か月の騎手人生を振り返り、レジェンドが最後に何を語るか注目だ。
的場文男騎手「皆さま、長い間応援していただき、本当にありがとうございました。正直なところ、まだまだ乗りたい気持ちはありますが、昨年2月に膝をケガし、一度騎乗を再開しましたが、膝の影響もあって思うような騎乗ができず、体力的にも限界を感じるようになり、騎手としてのキャリアに終止符を打つ決断をいたしました。
最後の騎乗を皆さまにお見せできず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、これまで多くの素晴らしい馬たちとともに走り、多くの思い出を作ることができました。皆さまの温かい応援が私の力となり、支えになりました。
これからは、新たな道を歩むことになりますが、みなさまの応援を胸に、次のステージでも頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました」