【サウジC】矢作調教師「全部取りにいく」フォーエバーヤングで世界のビッグマネーつかむ!1着15億円の世界最高賞金レースからドバイ、BCへ

2度目のサウジC制覇へ手応え十分の矢作調教師
2度目のサウジC制覇へ手応え十分の矢作調教師

◆第6回サウジカップ・G1(2月22日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)

 1着賞金が世界最高の1000万ドル(約15億7024万円)で、JRA海外馬券発売対象の第6回サウジカップ・G1が22日夜(日本時間同日26時40分)に行われる。日本の若きエース・フォーエバーヤングを送り出す矢作芳人調教師(63)=栗東=は23年のパンサラッサに続く2勝目にとどまらず、世界中の“超スーパーG1”を「全部取りに行くつもり」と今年の野望を明かした。

 今度こそ、世界の大舞台で勝利をつかむ。今春のフォーエバーヤングはサウジCからドバイ・ワールドC(4月5日、メイダン・ダート2000メートル)を転戦。矢作調教師に全く迷いはなかった。

 「当然ですね。(昨年5月の)ケンタッキーダービーの頃から決めていました。だからこそ、うちにしては珍しく東京大賞典から放牧にも出さず、在厩で調整を続けてきました。賞金を考えてもサウジCを取りに行くのは当然で、ひと叩きというイメージはない。そんなワケないだろ、世界最高賞金で。日本でどのレースを走るの、となれば、(サウジCの賞金は)日本でG1・10個勝たせないといけない(笑)」

 誰もが認める砂上の横綱だ。昨年は東京大賞典など日本でG1級競走を2戦2勝。海外でもサウジダービーとUAEダービーを勝ったが、大一番と位置づけていたケンタッキーダービーとBCクラシック(ともにダート2000メートル)は3着だった。

 「日本でしっかり勝ち切ったところは素晴らしい。しかも、2戦とも完調ではなかったから、大したものだと思う。ただ、肝心なところを勝てていないから、何も満足はしていない」

 あの興奮がよみがえる。23年、それまで芝中心に使っていたパンサラッサが現地のダートに適性があると判断。常識にとらわれない采配で世界最高賞金を手にした。

 「(芝馬で)ハマったね。ツイてるんだよ、俺は。芝で惨敗(香港カップ10着)の後にサウジCへ連れて行ったけど、その発想ができるかどうか。悪いけど、できない人はかなり多い。出ないことにはチャンスはないんだから。1000万ドルの賞金なんて夢物語的な感じだろ。それが現実になるんだと思ったよ」

 無欲の挑戦だった当時とは違い、今年は勝利への強い思いを胸に秘めての参戦だ。「世界のYAHAGI」の鋭い視線は、しっかり“その先”まで見据えている。

 「使うところは超スーパーG1しかないわけで、サウジC、ドバイ・ワールドC、そしてブリーダーズCクラシック(11月1日、デルマー)。もちろん、全部取りにいくつもりでやりたい。藤田(晋)オーナーのためにも、シンエンペラーと2頭は種牡馬に、という気持ちが強い。海外のG1を勝つことがオーナーにも、ファンにも一番の恩返しだと思っています」

 一夜でビッグマネーをつかんでから2年。サウジから世界の頂へ―。フォーエバーヤングとさらに大きな夢を目指す壮大な一年が、もうすぐ幕を開ける。(取材・構成=山本 武志)

 ◆矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年3月20日、東京都生まれ。63歳。05年3月に厩舎を開業。14、16、20、21、22、24年に最多勝利調教師、14年と19~23年に最多賞金獲得調教師に輝く。JRA通算902勝で、重賞はG1・14勝を含む59勝。また、海外ではG1・8勝を含む重賞14勝で2位に8勝差をつける1位。日本人トレーナーとして初めてブリーダーズC、サウジCを制した。

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