
◆第118回京都記念・G2(2月16日、京都・芝2200メートル、稍重)
第118回京都記念・G2は16日、京都競馬場で行われ、5番人気のヨーホーレイク(岩田望)が重賞3勝目を飾った。友道康夫調教師(61)=栗東=は現役最長の15年連続、ディープインパクト産駒は16年連続の重賞勝利となった。今後は大阪杯(4月6日、阪神)を目標とし、G1初勝利を目指す。
不屈の魂を乗せるように末脚を絞り出した。最後の直線。好位追走のヨーホーレイクが馬群を縫うように“ギア”を上げる。岩田望は左から、右からステッキを振り下ろし、両腕で懸命に手綱を押した。ラスト100メートルは内から詰め寄るリビアングラス、外から伸びてくるマコトヴェリーキーの気配を感じ取るように再加速。先頭でゴール板を駆け抜けると、4年連続の重賞勝利とした鞍上は左の拳を握り締めた。
岩田望は「強かったです。いいポジションで競馬できたのが勝因です。今週は内の馬場が良く、枠も内だったので決め撃ちで乗りました」と振り返った。4歳春に屈腱炎を発症し、2年以上にもわたる長期休養からターフに戻ってきたのが昨年3月。常識的に本来の姿を取り戻すのは至難の業だが、あきらめなかった。復帰後に重賞2勝。3つ目のタイトルは父ディープインパクトに16年連続の重賞タイトルを贈る貴重な勝利でもあった。
異国からの声援も背中を押した。友道調教師はサトノグランツが遠征しているカタールに滞在中。前日に出走予定だったアミールTが馬場不良で一日スライドとなった。ただ、現地滞在を一日延ばした結果、本来は帰国便に乗っていたはずの時間帯にレースを観戦することができた。「じっくり見れました」と声を弾ませると、「3歳の頃から期待していた馬。力がありますよね」と続けた。これでJRA重賞15年連続制覇で、現役調教師の最長記録を更新した。
今年で7歳だが、まだキャリア12戦。20キロ増だったが、トレーナーは「10キロは成長分」と笑う。今後は脚元の状態次第で、大阪杯(4月6日、阪神)が目標になる。「頑張っている馬ですし、何とかG1を取らせてあげたいですね」とトレーナー。逆境を乗り越えた遅咲きの大器が、桜舞う仁川で大輪の花を咲かせる。(山本 武志)
◆ヨーホーレイク 父ディープインパクト、母クロウキャニオン(父フレンチデピュティ)。栗東・友道康夫厩舎の牡7歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は12戦5勝。主な勝ち鞍は22年日経新春杯・G2、24年鳴尾記念・G3。総獲得賞金は2億5421万3000円。馬主は金子真人ホールディングス(株)。
◆ディープインパクト産駒の現在 現役は58頭。20年生まれの現5歳がラストクロップで2頭いる。最年長は17年生まれの現8歳で22年の大阪杯を制したポタジェなどがいる。他のG1馬はジャスティンパレス(6歳)、キラーアビリティ(6歳)が現役。また、22年まで11年連続リーディングサイアーだったが、産駒が少なくなった23年が3位、24年が10位だった。