
◆第84回オークス・G1(5月21日、東京競馬場・芝2400メートル)
オークスは最近10年で1番人気が5勝。3番人気が3勝、2番人気が1勝と1着こそ人気サイドが占めるが、3連単は8度も万馬券が出ている。4年連続で2けた人気馬が馬券に絡んでおり“ヒモ穴”の高配当は十分に見込めるレースだ。
桜花賞12着のキタウイングが、反撃へ過去10勝の好枠3番枠をゲットした。今回のメンバーで3頭しかいない3勝馬の一角だが、近10年のオークスは1~3着馬計30頭のうち19頭がレース前に3勝以上をマーク。桜花賞2けた着順からの巻き返しに成功した13年メイショウマンボ(桜花賞10着→1着)、17年アドマイヤミヤビ(同12着→3着)、22年ナミュール(同10着→3着)の3頭は、すべて3勝以上をマークしていた重賞ウィナーだった。
また、逃げて馬券内に入ったのは11年2着のピュアブリーゼが最後。直線が長い東京だけに、瞬発力勝負の傾向も強い。近10年は勝ち馬のうち9頭がラスト3ハロンで3位以内のタイムをマークし、馬券内でも30頭のうち19頭が該当。同様に20頭が前走で上がり3位以内を記録した。フラワーC勝ちの3勝馬エミューもこれらの反撃条件を満たすが、7戦のうちメンバー3位以内の上がりは3度。33秒台も桜花賞(33秒9)の一度だけで、キタウイングにより分がある。
キタウイングはここまで7戦。内枠から先行策を選択した阪神JFを除く6戦でラスト3ハロンが2位以内、33秒台も4度の鋭い末脚を武器とする。長い直線、左回りの新潟2歳Sを制しており、舞台設定が似る東京の適性は高い。管理する小島調教師は08年秋華賞をブラックエンブレム、09年エリザベス女王杯をクィーンスプマンテでともに11番人気で制し、牝馬限定G1で大万馬券を生んだ実績もある。大波乱の使者として、不気味そのものだ。